「親ちゃんのラボ日記」(3)~ 葉いもちの発生調査に挑戦!

ページ番号2006052  更新日 令和4年11月21日

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 みなさん、こんにちは!この記事が載る頃はまだ暑い日が続いていることと思います。今回は、前回ご紹介した2つの試験について、7月下旬~8月上旬にかけて行った調査の様子をレポートします。

 調査の内容は、イネの“葉いもち”の発生状況です。葉にいもち病が発生すると、“穂いもち”の感染源になり、お米の収量・品質の低下につながります。今回は、葉いもちの調査をどのように行ったのかをご紹介します。

 育苗箱施用剤の施用量を減らす試験では、センター内の圃場で調査を行いました。また、穂いもち防除を省略する試験では、センター内の他にも、奥州市内で4日間に渡り現地調査を行いました。

 “葉いもち”は、ひし形で周りから黄色、茶色、灰色に変色していくのが、一般的です。田んぼの中を一株ずつ観察しながら、いもち病の病斑を数えていきます。田んぼで調査をしていると、いもち病の病斑と見間違えそうな斑点状のものが多くみられます。経験豊富な先輩職員は、本物の病斑かどうかを瞬時に見分け、てきぱきと調査を進めていきますが、新人の私がその域に達するには、たくさんの経験の積み重ねが必要だと感じています。

 調査全体を通して、本年のいもち病の発生は少ない印象を受けました。その要因について、「田植えの時点で処理する『育苗箱施用』が普及したことで、葉いもちの防除が一斉にできているからだ」と、先輩から教えられました。こうした発生の少ない条件の中で、いもち病予防粒剤の散布回数、あるいは育苗箱施用剤の減量施用について、引き続き調査・検討を進めていこうと思います。

 それにしても、田んぼの中を連日歩き続けたため、体のあちこちが痛くなってしまいました。体力づくりもこれからの課題かなと思っています。「親ちゃんのラボ日記」は、まだまだ続きます。次回もお楽しみに!

  • 現地調査を一緒に行った冨永病理チーム長の写真

    現地調査を一緒に行った冨永病理チーム長

  • 本田での葉いもち病斑の写真

    本田での葉いもち病斑

(環境部病理昆虫研究室 技師 熊谷 親一)

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