停電の時、乳牛舎の緊急対応は? ~ 畜産研究所での事例を紹介します
年末の大雪や3月の東日本大震災、さらに4月の強い余震により度重なる停電が発生しました。近年の酪農に電力は欠かせません。当研究所の乳牛舎でも停電により、搾乳をはじめ通常の管理が困難な状況となりました。停電時に困るのは、何といっても「牛の飲料水の確保」と「搾乳」です。
水の確保
搾乳牛では1日100リットル程の水を飲むため、大量の水が必要ですが、停電に伴い揚水ポンプがストップしたため、給水ができなくなりました。その対応として、今回はポンプタンカーで近くの水源から水を汲み上げ必要量を確保し、また、水を給与する際には、1度に多くの牛が飲めるようにフロントローダーのバケットを活用しました。
搾乳
搾乳は、パーラーが稼動しないため、小型発電機で400ワットの真空ポンプを動かし、バケットミルカー3台をつなぎ搾乳しました。普段は2時間程度で終わる搾乳作業が、5時間かかりました。
本年は、東日本大震災の影響で節電が必要になっています。今のところ計画停電は予定されていませんが、今後、予断を許さない状況が続いています。改めて、停電時の対策を確認しておきましょう。
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バケットによる給水
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バケットミルカーによる搾乳
(畜産研究所家畜飼養・飼料研究室 技師 木戸場 結香)
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