学びの果実を活かすために ~「大学院派遣研究&依頼研究員研修成果発表会」を開催

ページ番号2005998  更新日 令和4年11月18日

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 平成24年3月23日、農業研究センター・本部(北上市)において、「平成23年度大学院派遣研究成果発表会」並びに「同 依頼研究員研修成果発表会」を開催しました。これは、「研究員育成プログラム」の一環として、大学や独立行政法人の試験研究機関に派遣された研究員が、研修で得られた研究成果について報告するもので、本年度は2名の研究員が発表を行いました。

 最初に、技術部作物研究室・阿部陽専門研究員が、平成19年4月から岩手大学大学院連合農学研究科において、博士論文のテーマとして取り組んだ「水稲の重要形質に関与するQTL遺伝子の単離・同定及び機能解析」について発表しました。

 阿部陽専研は、寒冷地である本県での水稲直播栽培では重要な形質となる「イネの初期伸長性に関する遺伝子の同定」と、従来の方法より低コストかつ迅速にイネの遺伝子解析を行う、「新しい遺伝子同定技術『MutMap法』の開発」に取り組みました。特に後者は、研究論文が著名な学術誌「nature biotechnology」に掲載されるなど世界的にも注目されており、良食味オリジナル水稲品種の育成を早期に実現する技術として大いに期待されるものです。

 続いて、環境部生産環境研究室・阿部弘主任専門研究員が、平成23年6~8月に独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所において取り組んだ「採花期間のリンドウにおける効果的施肥技術の開発」について発表しました。

 阿部弘主任専研は、自身が研究に取り組んだサトイモの地下茎の生長パターンと、リンドウの塊茎のそれが類似していることに着目し、開花期の株分解調査により、エゾリンドウの株の構造と経年推移について解明しました。リンドウの生理・生態については不明な点が多く、今回の研修で得られた成果は貴重な技術情報として、さっそく生産現場で活用されています。

 前途有望な若手~中堅の研究員が、自身の更なるスキルアップと画期的な研究成果を目指し、翌年度以降もこれらの制度を積極的に活用してくれることを期待しています。

  • 成果発表会の様子の写真

    成果発表会の様子

  • 発表者2名の写真

    発表者の阿部陽 専門研究員(左)と阿部弘 主任専門研究員(右)

(企画管理部研究企画室 主任専門研究員 伊勢 智宏)

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