雪をも溶かす?アツ~い議論 ~ シンポジウム「元気です!東北のアスパラガス」を開催しました

ページ番号2006005  更新日 令和4年11月18日

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 アスパラガスは、秋から冬にかけての国内生産がとても少なく、この時期は寒冷地の「伏せ込み促成栽培」により生産されます。しかし、東北地域における本作型の技術が確立されておらず、収益性が低い状況にありました。そこで、当センターを中心に国内9つの研究機関が連携し、東北地域の伏せ込み促成栽培の体系化を図るべく、プロジェクト研究「寒冷地特性を活用し国産アスパラガスの周年供給を実現する高収益生産システムの確立注)」を、平成21~23年度にかけて取り組んできました。

 プロジェクト研究で得られた成果をすみやかに現地へ普及するとともに、生産者や研究者の意見交換を図ることを目的に、平成24年2月1日~2日にシンポジウム「元気です!東北のアスパラガス」を開催し、全国から195名の生産者や研究者が参加しました。

 初日は、大雪が降りしきる中で現地視察を行いました。岩手町の現地圃場で、実際の伏せ込み現場を見学しながら、収量をあげるためのポイントについて活発な意見交換を行いました。2日目は、群馬県農業技術センターの小泉丈晴主任研究員に、基調講演「飛躍するアスパラガス伏せ込み促成栽培 歴史とこれから」と題してご講演いただき、続いて「株養成」「伏せこみ」「廃根処理」の3つのテーマについて各研究担当者が講演しました。さらに、プロジェクトで得られた成果の講演や、現場で問題となっている課題をテーマとしたパネルディスカッションを行いました。

 2日間を通じて会場からは多くの質問や意見が出され、収量アップにつながる技術的ポイントの核心に迫ることができました。また、北は北海道から南は佐賀県まで、幅広い地域からの参加があり、伏せ込み促成栽培に対する関心の高さを感じました。当センターでは、今後も引き続き生産者の収益向上につながる技術開発を進めていきます。

注:農林水産省「新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業」

  • 伏せ込みハウス内で意見交換中の写真

    伏せ込みハウス内での活発な意見交換

  • 講演会の様子の写真

    全国から多数の参加者が集まり収量アップにつながる技術を学びました

(技術部野菜花き研究室 主任専門研究員 山口 貴之)

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