農研-畜研で「耕畜連携」~ トラクタけん引式たい肥撹拌機によるたい肥生産

ページ番号2006008  更新日 令和4年11月18日

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 畜産研究所では、飼育している家畜から毎日10トン弱のふん尿が発生しています。当研究所では、このふん尿に稲わらを混合したものをたい肥化し、主に所内の牧草地に散布するとともに、農研センター・本部(北上市)でも利用しています。

 これまでは、ロックウール脱臭装置を装備した「スクープ式円形発酵槽」と、たい肥舎での切り返しによりたい肥化を行ってきました。しかし、導入当時には最新式と言われたこの施設も、腐蝕ガスの影響と経年劣化により故障が多発し処理能力が低下していることから、これに替わるたい肥処理機械として「トラクタ牽引式たい肥攪拌機『エアロマスター』(国内代理店:日本家畜貿易株式会社)」を新たに導入しました。

 この撹拌機は、ランニングコストが低いことや、構造が単純かつ耐久性が高くメンテナンスが容易である等の利点があります。エアロマスターの撹拌動作は、撹拌軸に配置されたパドルが「パイル」と呼ばれる巾3メートル・高さ1.5メートル程に山積みしたたい肥原料を中央に掻き寄せて後方へ吹き飛ばすもので、動力はトラクタPTOのみとなっています。

 たい肥生産は、パイルを定期的に撹拌することで空気と混和し発酵を促進するもので、冬期間でも撹拌開始から2~3日でたい肥温度は雑草種子等が死滅すると言われる70℃程度に上昇します。当研究所では、水分調整資材の混入を最低限に抑えているため水分はあまり低下しませんが、センター内での自家利用には充分な品質のたい肥が生産されています。

  • 撹拌で激しく水蒸気を舞い上げる様子の写真

    撹拌で激しく水蒸気を舞い上げる様子

  • たい肥舎で堆積発酵用原料を調製中の写真

    屋外で水分調整資材と混合してたい肥舎での堆積発酵用原料を調製

(畜産研究所家畜飼養・飼料研究室 主査専門研究員 堀間 久己)

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