冬でも作れるニュータイプ野菜「タイニーシュシュ」~ 極晩抽性ハクサイによる新作型の開発

ページ番号2006010  更新日 令和4年11月18日

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タイニーシュシュの販売例の写真
タイニーシュシュの販売例

 「ゆめいろハクサイ・タイニーシュシュ」という野菜を、皆さんはご存じですか?現在、株式会社サカタのタネから販売されている「みずみずしくてクセがなく、さわやかな食感」の、新しいタイプのハクサイの名前です。「サラダ菜感覚でサラダやサンドイッチに、ハクサイ感覚で鍋物や浅漬け、炒め物に」と、いろいろな料理に合います。また、収穫の適期も結球始め(200g)からミニハクサイの状態(1.2kg)までと幅広いのが特徴です。実際に食べた人の感想も「食感が良い、甘い、クセがない」と好評でした。こんな新しい野菜を作って食べてみたいと、皆さんも思いませんか?

 しかし、現在の品種は春から秋が栽培の適期のため、本県で冬に無加温ハウスで栽培すると、早々にとう立ちして(=花が咲いて)しまい収穫できません。そこで当センターでは、東北農業研究センター、岩手大学、サカタのタネとの共同研究で、冬でも無加温ハウスで栽培できるとう立ちの非常に遅い「新・タイニーシュシュ」を育成しています。

 この新しい品種が完成すれば、これまでの品種との組合せによるハウスでの通年栽培や、冬期に果菜類の作付を休んでいるハウスの有効利用が可能になります。品種登録してお届けできるまであと2~3年はかかる見込みですが、ぜひ楽しみにお待ちください。

注:この研究は、独立行政法人 科学技術振興機構(JST) A-STEP事業の予算を得て実施しています。

  • サラダうどんの写真

    調理例・その1「サラダうどん」

  • 塩昆布あえの写真

    調理例・その2「塩昆布あえ」

  • とう立ちしたタイニーシュシュの写真

    既存のタイニーシュシュを冬に作ってとう立ちしてしまった状態(これでは出荷できません……)

  • 抽苔していない育成中の系統の写真

    育成中の系統は花芽ができず美味しそう!

(技術部野菜花き研究室 上席専門研究員 漆原 昌二)

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岩手県農業研究センター 園芸技術研究部 野菜研究室
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