養分集中で根に活力を! ~ アスパラガスの新たな茎葉黄化法の開発

ページ番号2006022  更新日 令和4年11月18日

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 アスパラガスは、秋の気温の低下に伴い茎葉が黄化することにより、茎葉の養分が根に転流して根のBrix糖度注)が高まります。「伏せ込み促成栽培」は、秋に根株を掘取ってハウスに伏せ込むことによって、12月からアスパラガスを収穫することができますが、高い収量を得るためには、Brix糖度が高い根株を生産する必要があります。

 現在、当センターで開発中の11月出荷体系の場合、気温がまだ高い時期の掘取りとなるため茎葉が黄化せず、伏せ込み後の収量が低下するいう問題があります。また、慣行の作型でも、近年の秋の高温傾向によって、茎葉の黄化が順調に進まない場合があります。

 そこで、気温が高い時期でも茎葉を黄化させる新しい手法として、茎葉をつけたまま掘取り機で根株を堀上げ、そのまま圃場に静置するという新しい手法を開発しました。この手法により、気温が高い時期でも10日~2週間程度で茎葉が黄化し、根のBrix糖度が上昇することにより、伏せ込み後の収量が慣行と比較して増加することを明らかにしました。

注:Brix糖度(ブリックス・トウド):液体中に含まれるショ糖等の糖含量をあらわしており、%で示します。アスパラガスの場合、根を絞って出てくる液を糖度計で測ります。

  • 掘り取った後葉が黄化したアスパラ株の写真

    自然条件下で茎葉が黄化しない時期でも根のBrix糖度を高めることが可能

  • 専用掘取り機でアスパラ株を掘り取り中の写真

    既存のアスパラガス専用掘取り機で対応可能

(技術部野菜花き研究室 主任専門研究員 山口 貴之)

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