“官学連携”でアイディアをシステム化 ~「豚交配管理支援システム」の共同開発
家畜育種研究室では、豚の純粋種豚群における近交係数の急激な上昇を抑制するための交配計画をパソコンで作成できる、「豚交配管理支援システム」(下記添付ファイル参照)を、平成22年度に岩手県立大学と共同で開発しました。
通常、同じ品種の豚群内で交配を重ねていくと、“血が濃く”(=近交係数が高く)なり、産子数の減少やヘルニアなど奇形の発生の増加により生産性の悪化を招きます。本システムは、このような遺伝的障がいの発生を防ぐために、同じ豚群の中でも血縁の遠い個体を探して、血が濃くならないような交配組合せ計画を自動的に作成するものです。
本システムを開発するにあたり、以前から「こういうシステムを作りたい」というアイディアはありましたが、プログラミングの技術を持った研究員は所内にはいませんでした。そこで、ソフトウェア開発を研究している岩手県立大学ソフトウェア情報学部に、システム開発に協力していただき「豚交配管理支援システム」が完成しました。
現在、生産農場の声や実情に合わせてさらに使いやすくなるよう、システムのバージョンアップに取り組んでいます。また、近交係数だけでなく、育種価注)も考慮した「交配計画作成プログラム」の作成も計画しています。今後とも関係機関との連携を密にしながら、生産性の高い種豚群の造成に取り組んでいきます。
注)育種価:遺伝的能力の推定値
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「豚交配管理支援システム」初期画面
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担当(執筆)者と肥育豚
(畜産研究所家畜育種研究室 専門研究員 佐々木 直)
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