涼しい土地でも自給飼料生産を ~ 飼料用トウモロコシ・高標高地向け品種の選定
高い栄養収量が期待できる飼料用トウモロコシは、自給飼料の基幹作物として広く栽培されています。基本的に温暖な気候に適しているトウモロコシですが、近年冷涼な高標高地での栽培事例が増えてきました。このような動きを受けて、家畜飼養・飼料研究室では、平成23年度から新たに高標高地向けの品種選定のため、“極早生”の市販品種特性比較試験を開始したので紹介します。
本年度の調査対象は、「たちぴりか」「TH406」「39B29」「LG3215」の4品種です。試験圃場は、畜産研究所(滝沢、外山)のほか、岩泉町と遠野市の高標高地に現地圃場を設置しました。滝沢の圃場は標高約250メートルですが、遠野市の現地圃場は標高約1,000メートルもあります。平地と高標高地の気温差の違いから播種日、刈取適期が異なることはもちろんですが、一番気になる収量がどれほど差を生じるか、興味津々で経過を見守っています。

滝沢の圃場では、上記の4品種の中では「たちぴりか」が雄穂・雌穂抽出期が他の3品種より早く、その後の登熟も早く進んでいます。しかし、「登熟が早い」=「生育期間が短い」分、背丈が伸びず収量がやや劣る可能性があります。今後、収量調査等詳しいデータを解析し、更なる情報提供を行います。

(畜産研究所家畜飼養・飼料研究室 専門研究員 山形 広輔)
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