低コストな点滴かん水装置で果菜類の減肥+収量アップへ
岩手県で果菜類を露地で栽培する場合、かん水は積極的には行われていませんでした。しかし、近年になり水質や動力源などの使用条件を問わず、かつ安価な点滴かん水装置が開発されたことから、県内にも導入され始めています。この装置を使うことにより、乾燥時にも適切な土壌水分が保たれ、作物の生育が旺盛となることから、収量および品質の向上が期待されます。また、肥料を効率よく作物に吸収させることにより、減肥することも可能となります。
園芸研究室では、ピーマンを対象にこの装置を用いたリン酸の減肥試験を実施しています。本試験では、リン酸を減らしながら慣行栽培より高い収量が得られるかん水方法について検討を行っています。また、この装置を利用してクエン酸等の有機酸を施用することにより、更なるリン酸減肥を可能にする研究にも取り組んでいます。更に、土壌タイプの異なる地域での効果を確認するために、遠野地域のかん水装置を利用した現地試験を行っており、「減肥・収量アップ」の普及展示圃としても活用されています。
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センター内での装置を使った減肥試験の様子
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現地試験(遠野)でのトンネル栽培の様子
(技術部園芸研究室 野菜チーム長・主任専門研究員 漆原 昌二)
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