防虫ネットで殺虫剤要らず!? ~ トマトの環境保全型害虫防除技術の確立を目指して

ページ番号2006162  更新日 令和4年11月25日

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 農産物の安全・安心や環境への負荷軽減に対する関心は、年々高まっています。そのニーズに応えるための一つの方策として、当プロジェクト(特栽・有機担当)では、畑作物や野菜の生産に用いる化学肥料や化学合成農薬を減らした、「環境にやさしい」栽培技術の実証試験を行っています。

 今回は、その中からトマトの害虫被害を抑える試験について紹介します。この試験では、トマトの主な害虫(アザミウマ類、オンシツコナジラミ、アブラムシ類等)の侵入を抑制する紫外線除去フィルムと防虫網(0.4mm目)を利用し、ハウス栽培において殺虫剤を使わずに害虫の被害を防ぐ実証を行っています。

 平成21年度にはこの方法により、紫外線除去フィルムと化学合成農薬による防除を組み合わせた体系と、ほぼ同等の被害に抑えることができました。その一方で、オンシツコナジラミが侵入すると防虫ネットを張ったハウス内で増殖し、殺虫剤による防除が必要になるという新たな課題も見つかりました。本年度は、紫外線除去フィルムではない通常の農業用ビニールと化学合成農薬による防除との比較も併せて行いながら、この防除体系の確立を目指しています。

  • 防虫ネットを張った実証ハウスの写真

    実証ハウス
    ハウスの側面と出入口に防虫ネットを張っています

  • トマト定植後の実証ハウス内の写真

    トマト定植後の実証ハウス内
    (定植日:平成22年5月6日)

(プロジェクト推進室(特栽・有機) 主任専門研究員 細川 健)

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