おいしいハクサイで花見鍋!? ~ 極晩抽性ハクサイによる新作型の開発

ページ番号2006089  更新日 令和4年11月24日

印刷大きな文字で印刷

 皆さんは、ハクサイの種を春早くまき過ぎて、結球する前に花が咲いてしまい収穫できなかった経験をお持ちではないでしょうか?これは、一般にハクサイやカブ等のアブラナ科植物は、寒さにあたることで花芽ができるためです。そのため、本県では春先のハクサイの収穫は難しいとされ、その時期に店頭に並ぶのはほとんどが関東以西の産地のものです。

 現在、独立行政法人東北農業研究センター、岩手大学、株式会社サカタのタネと共同で、低温ではなく長日によって花芽分化する極晩抽性(とう立ちの非常に遅い性質)と、普通のハクサイが持つ結球性(玉になる性質)、さらに越冬性を併せ持ったハクサイ品種を育成しています。

 また、当センターではこの育成中の品種を使って、これまではできなかった新しい作型の検討を進めています。この作型が確立されれば、お花見の時期に本県産の美味しいハクサイを使ったお鍋を食べることができるようになります。

 この品種はまだ育成途中のため、皆さんが自由に種を買えるようになるまでには、3~4年かかる見込みです。それまでは、畑を準備し料理のレパートリーを広げながら、楽しみにお待ちください。

極晩抽性ハクサイを利用した新しい作型の暦
極晩抽性ハクサイを利用した新しい作型
晩秋播き露地越冬作型でのハクサイの様子の写真
晩秋播き露地越冬作型でのハクサイの様子(撮影日:平成22年5月6日)
左側:育成中の極晩抽性を有した品種 → 花芽を作らず順調に結球中
右側:既存の品種 → 結球せずに花が咲いてしまった状態

(技術部園芸研究室 野菜チーム長・主任専門研究員 漆原 昌二)

このページに関するお問い合わせ

岩手県農業研究センター 園芸技術研究部 野菜研究室
〒024-0003 岩手県北上市成田20-1
電話番号:0197-68-4419 ファクス番号:0197-71-1081
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。