発酵鶏ふんで肥料費は半減できるか? ~ 一次発酵鶏ふんを用いた飼料用トウモロコシの栽培実証試験
家畜飼養・飼料研究室では、平成21年度に試験研究成果「飼料用トウモロコシ栽培における一次発酵オガクズ鶏ふんたい肥の窒素の肥効性」を取りまとめました(添付ファイル参照)。そして、平成22年度は次のステップとして、畜産研究所内のほ場(6ヘクタール)で栽培実証試験を行いました。
鶏ふん施用区の初期生育は、草丈や葉色にばらつきが見られましたが、出穂時期には慣行区(化学肥料+たい肥)と同等の生育になりました。収量は、雌穂重は慣行区とほぼ同等でしたが、茎葉重はやや少なく、TDN単収は10アールあたり1,200kgで、慣行区に比べ若干少なくなりました。この減収は、出穂までの栄養成長期に鶏ふん成分の有効化が図られれば改善できると考えられます。コストは、慣行区の肥料費が10アールあたり4,025円であったのに対し、鶏ふん区では2,500円でした。
なお、鶏ふんを散布した後、早い時期に耕耘したため、タネバエの発生は問題になりませんでした。また、鶏ふん栽培では事前に耕起しているため、播種時の作業は種子の補給のみとなり、慣行に比べ作業の手間が軽減されます。本試験は、平成23年度も継続する予定です。

(畜産研究所家畜飼養・飼料研究室 主任専門研究員 堀間 久己)
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