中国黒龍江省農業科学院植物保護研究所との研究交流(3)前編

ページ番号2006099  更新日 令和4年11月24日

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 中国黒龍江省農業科学院植物保護研究所(徐 伟钧(Xu Weijun)所長)との研究交流についてのレポート第3弾です。今回は、黒龍江省および植物保護研究所における病害虫防除研究の現状についてご紹介します(少し長くなりましたので前後編でお届けします)。

(1)中国黒龍江省における病害虫防除の現状
 朝起きて何気なくテレビを見ていると、ブルーのスーツを着こなした女性アナウンサーがキャスターを勤める農業番組で、葉いもちの映像の後、連なった動力噴霧器を背負った3人の男性が、水田に並んで薬剤散布をしている光景が映し出されました。さしずめ“人力ブームスプレーヤー”といったところでしょうか。

 おそらく、この光景こそが今の黒龍江省の稲作における病害虫防除の現状を映しているのでしょう。その一方で、同省北部の国営農場では、大型の農業用機械を使った大規模水稲栽培が行われているという話を、同研究所の研究員から聞きました。

 研究交流の中で、日本の病害虫防除について紹介した際、同所の研究員が最も興味を示したのは、長期残効型箱施用剤で、殺虫・殺菌混合剤の話でした。彼らは、特に「移植時の箱施用が、なぜ田んぼでのいもち病まで防除できるのか?」という点に疑問を持ったようです。日本では当たり前になった箱施用技術も、中国ではまだ知られていない技術の一つでした。

 また、日本で現在最大の難防除害虫となっている斑点米カメムシについては、全く問題視していない様子で(現地の水田を見せてもらったときは確かにカスミカメがいたのですが……)、日本の一等米の検査基準の厳しさにも驚いているようでした。

 続いて後編では、植物保護研究所での病害虫防除に関する研究について紹介します。

黒龍江省の農村風景の写真
水田ととうもろこし畑が広がる黒龍江省の農村風景

(病害虫防除部病害虫防除課 主査 大友 令史)
(企画管理部研究企画室 主任専門研究員 勝部 和則)

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