ダニをもってダニを制す ~ リンゴの難敵ハダニを食べるカブリダニの有効利用
りんごの樹でナミハダニ、リンゴハダニなどのハダニ類が大発生すると、葉の機能が低下し、果実の肥大が悪くなります。しかもハダニは年に何回も発生し、薬剤の効果が落ちやすいため、防除することが大変難しい害虫です。一方、りんご園やその周辺には、ハダニをエサにする「カブリダニ」というダニの一種が住んでいます。病理昆虫研究室では、このカブリダニに着目し、ハダニ類の被害軽減に利用できないか検討を行っています。
りんご園でカブリダニを有効に利用するためには、カブリダニの増えやすい環境を明らかにすることが必要です。そこで平成22年度から、どの時期に、どんな種類のカブリダニが発生するのかを知るために、岩手県内各地のりんご園を調査しています。
調査はまだ始まったばかりですが、農薬だけに頼るのではなく、カブリダニのような自然界に存在する天敵を有効に利用して、りんご園の害虫を減らす技術の確立に、当研究室ではこれからも取り組んでいきます。


左:フツウカブリダニ、右:ケナガカブリダニ
ケナガカブリダニは毛が長いのが特徴です
(環境部病理昆虫研究室 専門研究員 羽田 厚)
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