「いわて発」オリジナル技術を東北で広く活かす(2)~「1.5年プロ」現地試験の中間検討会を開催
平成22年9月7日、青森県つがる市木造「出来島21生産組合」の圃場において、「1.5年プロ注)」現地試験の中間現地検討会が開催され、生産組合の代表者の他、現地の関係機関を含め約15名が集まりました。
調査を担当したつがる普及分室からの報告では、「作溝直播区の出芽揃いの程度は慣行区と同様であったが、苗立率は慣行よりも高かった」「落水出芽時の降雨による滞水が作溝部分に限られるため、カルガモの鳥害がほとんど無かった」「苗立ちが早く、減水深の落ち着くのが早かったため、雑草防除は一発剤のみで対応できた」など、作溝直播の優れた点が明らかになりました。また、組合長からは、平成23年度に向けて作溝装置を導入したい意向も示されました。
本年の青森県での現地試験については、収量調査の結果を踏まえながら、成績の取りまとめと評価を行っていただきます。現地での課題解決につながる結果を発揮し、評判も上々であった「いわて発」の作溝直播が、平成23年以降青森県でも普及することが大いに期待されます。
注)1.5年プロ:正式名称は「東北農業新技術実用化促進プロジェクト」。現場における課題を早期に解決するため、各研究機関等で開発された新たな技術の実用性を短期間に検証・評価して、東北地域内の県域を越えた広い範囲への速やかな技術導入を図るものです。
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作溝直播区
作溝直播区はカモの被害が極めて少なかった
(写真提供:つがる普及分室、撮影日:平成22年6月18日) -
農家慣行(作溝無し)区
カモの被害により所々で明らかな欠株が発生
(写真提供および撮影日:前に同じ) -
現地ほ場前での検討の状況
(撮影日:平成22年9月7日) -
作溝直播区の生育状況
(撮影日:平成22年9月7日)
一部でなびき倒伏も見られたが、生育量が旺盛で多収が期待され、雑草の発生もほとんど無かった
(プロジェクト推進室(水田農業) 上席専門研究員 伊藤 勝浩)
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