「スーパー種雄牛」造成へのチャレンジ ~ 農家の優秀雌牛借上げ採卵の取り組み

ページ番号2006121  更新日 令和4年11月24日

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 平成21年度の記事の中で、当研究室の受精卵移植を活用した種雄牛造成について紹介しました。今回は、農家から優秀な雌牛を借上げ、受精卵を採取して種雄牛を造成する取り組みについて紹介します。

 農家の雌牛から採卵する場合、産子の肥育結果により常に変化していくトップグループの雌牛や、各地域で受け継がれてきた特色ある血統の雌牛を対象とするため、採卵した受精卵から時代のニーズに適した種雄牛候補を効率よく造成できる、という利点があります。

 借上げる雌牛は下記の条件を考慮し、当研究室と地域の和牛改良関係者で協議の上、次世代の種雄牛を造成するのにふさわしい雌牛を選抜します。

  1. 能力:産肉能力の育種価や産子の肥育成績、繁殖性に優れていること
  2. 血統:将来必要な種雄牛の血統や遺伝資源として希少血統であること
  3. 体型:標準以上の発育・体型であること
  4. 遺伝的不良形質がないこと

 選ばれた雌牛は、その農家と借上げ契約を結んだ後に採卵し、農家には借上げに対する謝金が支払われます。この取り組みは、平成13年度にスタートして以来、関係団体をはじめ多くの農家の皆さんの協力により、平成21年度までの実施頭数は54頭を数え、本年度も5頭の雌牛を借り上げ採卵します。

 こうして造成された種雄牛候補、「桜銀次」号と「王道気高」号の現場後代検定(産子による肥育検定)が12月には終了し、枝肉成績が判明します。“スーパー種雄牛誕生”を予感させるこの2頭の検定結果にご期待下さい。

  • 「桜銀次」号の写真

    名牛「第1花国」号息牛候補
    「桜銀次」号

  • 「王道気高」号の写真

    産肉性と種牛性の改良が期待される
    「王道気高」号

(畜産研究所種山畜産研究室 主任専門研究員 今野 一之)

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