生工研との「二人三脚」で育種競争を制する ~ 次世代オリジナル水稲品種の共同開発

ページ番号2006248  更新日 令和4年12月2日

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 平成21年5月25日、当センター内の水田で財団法人 岩手生物工学研究センター(以下、生工研)および当研究室の職員30名で共同研究用のイネを田植えしました。植えたイネは、生工研で突然変異処理をした「ひとめぼれ」約4,000系統と、品種開発に役立つ研究用の約1,300系統です。

 突然変異処理をした系統の中には、お米のおいしさに深く関わっている「アミロース」の含量が少なくなったものや、「いもち病」の抵抗性が強くなったものがあります。今後は、生工研が原因となる遺伝子の解析を担当し、当研究室では食味成分の分析やいもち病検定を実施して、おいしくて病気に強い品種の早期開発に取り組んでいきます。

 また、研究用の系統は、効率良くスピーディに新品種を選抜するための「DNAマーカー注)」の開発に利用します。すでに、生工研では低温発芽性のDNAマーカーを開発し、当研究室では春先に寒くても苗立ちが良く、直播栽培に適する品種の開発を着々と進めています。本年は、直播機を使用した栽培を行い、その実用性を検討しています。

 次世代のオリジナル水稲品種を、他に先駆けていち早く開発するため、生工研と「二人三脚」で研究に取り組み、実用化を目指していきます。

注)DNA マーカー:品種間や個体間に見られるDNAの塩基配列の違いを、目印にして利用できるようにしたもの。「寒さに強い」、「病気に強い」といった形質に関係する遺伝子の位置を調べたり、品種の識別に利用される。

  • 突然変異系統のアミロース含有率のグラフ

    突然変異系統のアミロース含有率
    アミロースが少ないほどご飯の粘りが強くなります

  • 田植え当日の様子の写真

    田植え当日の様子

(技術部作物研究室 専門研究員 阿部 陽)

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