探しています・キャベツ畑のガードマン ~「生物多様性プロジェクト」発動中
農地には、様々な生き物が生息しています。その中には農作物に害を与える害虫もいれば、それら害虫をエサにしている天敵など、農業にとって有用な生き物もいます。しかし、これらの生き物が実際に農地で、「どのような種類が」「どの時期に」「どの程度の数」発生するのかはよくわかっていないため、実際の害虫防除に利用されることはありませんでした。
そこで、病理昆虫研究室では、キャベツ畑で発生する害虫と天敵の種類、発生時期、発生量について調査注)し、害虫の防除に役立てようとしています。
おびただしい数・種類の生き物を調査するのは大変ですが、これまでにゴミムシ(チョウやガの幼虫を食べる)類、ヒラタアブ(主にアブラムシを食べる)類等がキャベツ畑に多く生息していて、害虫を減らしていることが明らかになっています。今後さらに調査を進め、これらの生き物をうまく利用した害虫防除の技術開発を目指していきます。
注)調査方法:葉面上に発生する害虫及び天敵の定期的な見取り調査と、地表を歩き回っている生き物を捕らえる落とし穴(ピットフォール)トラップ調査を行っています。

ピットフォールトラップ(円内および左上)を設置
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ピットフォールトラップに捕らえられたクモ、ゴミムシ、ダンゴムシ
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見取り調査で見られたアブラムシ等の捕食性天敵「ヒラタアブ」の幼虫
(環境部病理昆虫研究室 専門研究員 羽田 厚)
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