「環境にやさしい農法」は本当に生き物にやさしいか? ~ 田んぼの生き物の多様性を評価する(1)
近年、食の安全・安心への関心の高まりや、地球環境の悪化への懸念から、化学合成農薬や化学肥料の使用量を少なくし、環境への負荷を減らす「環境保全型農業」に取り組んでいる農家(エコファーマー)が県内でも増えています。
環境保全型農業は、農地およびその周辺の生き物の豊かさ(多様性)を守っているといわれていますが、今まで詳しい調査が行われておらず、その生息状況については意外と知られていませんでした。
そこでプロジェクト推進室では、平成20年度から県内の水稲主産地である奥州市において、慣行栽培、特別栽培(減農薬・減化学肥料栽培)、有機栽培という異なった栽培方法の水田とその周辺で、いつ、どのような生き物が見られるかを調査しています。
平成20年度の調査では、害虫の天敵と考えられるクモの仲間など十数種の生き物が、慣行栽培よりも環境保全型栽培の水田で多く生息していることが判りました。本年も継続して調査を行っており、その途中経過をこのコーナーで随時ご紹介していこうと思います。

(平成20年調査結果。クモの頭数は2圃場の合計)
(プロジェクト推進室(特栽・有機) 専門研究員 佐藤 千穂子)
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