ひと花咲かすひと工夫 ~ 杉樹皮を活用したパンジー栽培
岩手県は良質な杉材の産地ですが、製材の過程で発生する「杉樹皮」は産業廃棄物として処理され、なかなか有効な活用法がありませんでした。そこで、南部園芸研究室では杉樹皮の特徴である軽くて安価な点に着目し、パンジーの栽培に杉樹皮を利用する研究を進めています。
平成20年度までの研究により、杉樹皮を細かく粉砕したものに一定量の黒土と特定の肥料を混ぜ合わせることで、杉樹皮のみを使ったときに発生した生育障害(葉枯れ)が解消され、パンジーの花壇苗の用土として利用できることがわかりました。平成21年度は、杉樹皮による生育障害を根本的に解消し、パンジーだけでなく一般的な花壇苗で使えるような、汎用性の高い用土の開発を目標に試験を実施する予定です。
木質資源の有効活用にもなる杉樹皮を利用した花壇苗が、皆様のお手元に届くよう今後も研究を進めていきます。

(技術部南部園芸研究室 専門研究員 小田島 雅)
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