「うし年は岩手の年」~ 活躍する県有種雄牛たち

ページ番号2006260  更新日 令和4年12月2日

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 種山畜産研究室では、優れた肉質・肉量を目指して造成した種雄牛から精液を採取し、作成した凍結精液を安定的に供給することを重点目標に掲げています。現在、種雄牛18頭、待機牛(産肉能力検定前、あるいは検定中の牛)15頭の計33頭から、年間約50,000本ほどの凍結精液(精液管1本あたり0.5ミリリットル)を生産しています。

 そのうちの約半数の24,000本ほどが販売されていますが、平成20年度の実績で他を大きく引き離し、圧倒的な販売数を誇っているのが「菊安舞鶴」です。市場価格が高く畜産経営に大きく貢献しており、名実共に岩手を代表する種雄牛と言えます。本牛は本年で11歳になりますが、まだまだ衰えを知らず、現在も週2回採精・4射精のペースを守りながら順調に種雄牛としての役割を果たしています。

 また、「菊安舞鶴」以外では、「金菊徳」「北真鶴」「平北勝1」などが安定的に売れており、最近になって子牛市場価格の上昇とともに著しく売れ行きが伸びているのが、「来待招福」「菊福秀」「飛良美継」などで、今後も益々の伸びが期待されています。

 「種雄牛としての造精能力を最大限に引き出し、できる限り長く能力を維持させること」が普遍の目標であります。当研究室の職員一同は、常にそのことを意識しながら、最終の目的である「畜産経営の安定と向上」に寄与するため、日々、種雄牛の身になりながら、しかも牛歩の如くしっかりとした足どりで確実に業務を行っています。

種雄牛から精液を採取する様子の写真
種雄牛から精液を採取する様子
  • 採取した精液を検査中の写真

    採取した精液を検査

  • 精液をストローに充てん中の写真

    精液を「精液管(ストロー)」に充てん

「うし年は岩手の年!」
 詩人・彫刻家の高村光太郎は、詩「岩手の人」で、岩手県民の粘り強さと誠実さを牛に例えました。民謡「南部牛追い唄」、民芸品「金のベゴッコ」など、岩手には牛の文化が受け継がれています。
 前沢牛やいわて短角和牛、ヨーグルトやソフトクリームなどの乳製品。岩手の豊かな自然で育まれた畜産品は全国で愛されています。
 うし年は岩手の年です。丑年の平成21年、逆境を跳ね返し、一歩一歩着実に前進し、岩手はもとより、日本全体が元気になってもらいたくて、岩手県は「牛」をキーワードに様々なプロジェクトを展開していきます。

(畜産研究所種山畜産研究室 上席専門研究員 菊池 正)

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