「環境にやさしい農法」を実践している水田の生き物たち ~ 田んぼの生き物の多様性を評価する(3)

ページ番号2006173  更新日 令和4年11月29日

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 岩手県農業研究センターでは、平成20年度から「慣行栽培と特別栽培や有機栽培(環境保全型農業)を行っている場所では、生き物の種類や数は違うのか?」ということについて検討してきました。今回はこの2年間の調査結果から、特別栽培や有機栽培を行っている水田やその周辺で、慣行栽培よりも多く確認された生き物を紹介します。

 今回の調査では、昆虫をはじめとするたくさんの生き物を確認しましたが、中でもクモの仲間がもっとも多く見られました。水田内のアシナガグモの仲間は、夜に稲株の間に網を張り、餌となる虫を捕らえています。クモが多い水田は、餌になる虫が豊富であるということで、水田全体の生き物の量が多いと考えられます。

 この他にも数種類の生き物が、特別栽培や有機栽培を行っている水田やその周辺では、慣行栽培より多く確認されました。当推進室では、平成22年度以降もこれらの生き物について、効率のよい調査方法などを引き続き検討していきたいと考えています。

  • 稲の上のアシナガグモの写真

    稲の上のアシナガグモ科の一種

  • アシナガグモ科のクモ個体数の推移のグラフ

    アシナガグモ科のクモ個体数の推移
    (平成21年、水田内スイーピング、3圃場の合計値)

(プロジェクト推進室(特栽・有機) 専門研究員 佐藤 千穂子)

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