採血不要の血液検査? ~ 受精卵移植における受胎率アップへの取り組み

ページ番号2006219  更新日 令和4年12月1日

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 受精卵移植技術は、代理母(主に乳牛のホルスタイン種)となる雌牛に、肉用牛の受精卵を移植するものです。黒毛和種子牛の多数生産や牛群の改良等、畜産農家の所得向上に有効な技術ですが、受胎率は48%前後でありその向上が課題となっています。そこで、家畜育種研究室では、受胎率の向上を目指し様々な取り組みを行っています。   

 平成20年度には、畜産研究所で開発した「新型移植器」を用いて、受精卵移植師を対象に技術研修会を行いました。また、「受胎率を向上させる受卵牛の飼養管理技術の開発」に取り組んでおり、これまでに黒毛和種およびホルスタイン種の経産牛において、受卵牛を選定する目安となる血液検査指標値を作成しました。さらに、指標のひとつである血液中のアンモニア濃度は、糞便のpHからも推定することができるため、畜産農家が自分で簡単に測定できるよう、携帯式pHメーターを用いた糞便pHの指標値も作成したところです。

 今後は、受胎率向上に向けて血液検査値が適正値となるための、給与飼料の成分やその給与期間について明らかにし、農家に役立つ飼料給与プログラムを作成する予定です。

  • 新型移植器による技術研修会の様子の写真

    新型移植器による技術研修会
    (平成20年7月10日:滝沢村営相の沢牧野)

  • 携帯式pHメーターによる糞便のpH測定の様子の写真

    携帯式pHメーターによる糞便のpHの測定

(畜産研究所家畜育種研究室 上席専門研究員 細川 泰子)

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