播種「時短」で飼料自給率アップ ~ 飼料用トウモロコシ不耕起栽培の現地実証
家畜飼養・飼料研究室では、飼料用トウモロコシ栽培の省力化を図るため、「完全不耕起」播種技術の現地実証を行っています。完全不耕起栽培は、耕起、砕土、整地など播種の前作業を一切行わずに、前年の株跡が残った状態で直接播種する技術です。播種にかかる作業時間を慣行栽培の約8分の1(12%)にまで短縮できるメリットが大きく、収量性も慣行栽培とほぼ同等ですが、完全不耕起栽培を4年以上連続で行うと、乾物収量が若干低下する傾向が見られてきます。
平成21年度は、当研究室で実施してきた岩泉町の早坂高原での現地実証試験(4年目)に加え、東北農政局が主体となり実施する「1.5年プロ注)」により、普代村のライ麦跡や一戸町の傾斜地ほ場でもトウモロコシの不耕起播種が行われ、5月下旬に技術支援を行いました。6月より所内および現地における初期生育の状況等を調査中で、7月8~9日には「1.5年プロ」の現地検討会が行われました。そして秋には、現地機関の協力のもと収量調査を実施する予定です。
注)1.5年プロ:正式名称は「東北農業新技術実用化促進プロジェクト」。現場における課題を早期に解決するため、各研究機関等で開発された新たな技術の実用性を短期間に検証・評価して、東北地域内の県域を越えた広い範囲への速やかな技術導入を図るものです。
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ライ麦跡での播種作業(普代村・岩泉町農業公社圃場)
(右上:ライ麦跡播種後の状況) -
傾斜地(一戸町「TMRうべつ圃場」)での播種作業
(手前:不耕起区、奥:対象区)
(畜産研究所家畜飼養・飼料研究室 主任専門研究員 堀間 久己)
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