お腹元気に、子牛すくすく ~ 子牛下痢「牛コクシジウム症」の新薬予防効果を試験中
子牛が順調に体重を増やすためには、取り込んだ栄養分を確実に吸収できる、丈夫な胃腸を発達させることが重要です。これまで外山畜産研究室では、子牛の胃袋の発達を促すのに必要な、哺乳から離乳に至るまでの管理方式について検討してきました。
この時期の発育を妨げる要因として下痢症がありますが、子牛下痢の原因のひとつである「牛コクシジウム症注)」に対する新薬(トルトラズリル製剤)が、日本でも平成20年に発売されました。
外山畜産研究室では、発症が予測される1ヵ月齢以降に予防効果が出るように、3週齢での投与を試みています。何回も投与が必要だった従来の薬剤(サルファ剤)と比べ、1回飲ませるだけの方法で予防効果が期待できるため、衛生管理の省力化にも優れています。
現在、この薬剤を当研究室の和牛子牛に使用して、県中央家畜保健衛生所および発売メーカーと連携し、下痢の予防と体重増加の改善効果を検証中です。
注)コクシジウム症:牛や鶏などの家畜に、胞子虫の一種「コクシジウム(coccidium)」が寄生して下痢や栄養障害をひき起こす伝染病。
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哺乳中の子牛の体重測定
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子牛へ薬を口から投与するところ
(畜産研究所外山畜産研究室 主任専門研究員 藤澤 牧人)
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