夏の食卓に彩りを添えて ~「夏秋どりパプリカの安定生産」に取り組む
赤や黄色、オレンジ等、見た目が鮮やかで食卓に彩りを与えてくれるパプリカ注)は、平成に入ってから輸入されるようになった新顔の野菜ですが、急速に普及が進み今ではすっかり一般的な野菜のひとつになりました。
しかし、国内で流通しているものの大半は外国産であり、近年は「安全・安心な」国産品を望む声が高まっています。国内では九州・中国・四国地方など西日本を中心に栽培が広まってきましたが、夏場は高温のため生産が不安定となり、国産品が品薄となっています。そこで、技術部園芸研究室では全農岩手県本部と連携しながら、夏期冷涼な本県の気象を活かした「夏秋どりパプリカ高位安定生産技術の開発」について、平成20年度から研究課題に取り組んでいます。
パプリカを生産する上での課題は、ひび割れなど「障害果」の発生により収量が低くなることです。そこで、果実の品質を向上し収量を安定させるため、かん水方法を始め、品種や整枝・誘引方法、施肥量などを検討中です。当面は、商品果収量で10アールあたり6トン以上(キログラム単価400円で10アール販売額240万円)を得ることを目標としています。
また、本年度得られる成果をもとにして、平成21年は県内現地で実証を行うことも計画しており、新たな有望品目での産地育成を目指しています。
注)パプリカ:トウガラシの栽培品種の一つで、肉厚で辛みが無く甘いことから「甘味唐辛子」とも呼ばれます。
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パプリカの栽培試験中の様子
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各JA担当者を招き研修会を開催
(技術部園芸研究室 主任専門研究員 高橋 拓也)
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