安全安心で環境にやさしい野菜等の栽培技術の確立を目指して(1)~ トマトの減化学合成農薬・減化学肥料栽培実証

ページ番号2006327  更新日 令和4年12月7日

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 消費者の「安全・安心」な農産物へのニーズや、環境問題に対する関心は年々高まっています。プロジェクト推進室では、野菜・畑作物について化学肥料や化学合成農薬の使用を減らし、環境に対する負荷をできるだけ少なくした栽培技術の実証を行っています。今回はその中からトマトの試験についてご紹介します。

 栽培法の工夫や生物農薬を組み合わせることで使用する農薬の成分数を、岩手県が定めている慣行栽培基準の50%以下に減らすことが目標です。
 具体的には、

  1. 病気に強い(葉かび病抵抗性)品種の利用
  2. 灰色かび病に対する生物農薬の利用
  3. 紫外線除去フィルムと防虫網を併用した害虫の物理的防除
  4. 粘着板による害虫発生状況の早期確認
  5. アザミウマ等への生物農薬の使用

などについて実証試験を行っています。

 また、有機配合肥料、有機100%液肥、堆肥等を組み合わせ、化学肥料を使用しない施肥法の試験を行っており、定植から1カ月が経過しましたが、生育は順調に進んでいます。

 このように、一般の農家でも導入可能な技術を組み合わせながら、慣行栽培と同等の収量・品質を確保できる技術の確立を目指していきます。今後とも、試験経過や検討状況について、随時ご紹介していく予定です。

  • 防虫網を設置したビニールハウスの写真

    防虫網で物理的に害虫の侵入を防ぎます

  • ピーマンの肥料試験の様子の写真

    肥料試験風景。順調な生育です

(プロジェクト推進室(特栽・有機) 専門研究員 洞口 博昭)

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