「作りやすく」&「おいしい」ヒエの新系統の田植えをしました
県北農業研究所では、雑穀に関する様々な研究を行っていますが、平成19年度はヒエについて3系統を新たに育成しました。これらのヒエ新系統は、岩泉町の農家から分譲された在来系統「もじゃっぺ」を素材とし、県北農業研究所内で平成16年度から4年の歳月をかけて育成されました。
新系統の最大の特徴は、従来の系統に比べ草丈が短いことです。したがって、新たに機械装備を追加せずに水稲用コンバインで収穫することが可能です。また、これらの新系統は苗も丈が短く、水田栽培用ヒエ「達磨」と同様に田植機で移植できることから、水田転作作物として大いに有望であると思われます。
また、飯を炊いた時に粘りが強く、冷めても硬くなりにくい「半もち性」という「もじゃっぺ」の特性を受け継いでおり、「雑穀=ボソボソした食感」という従来のイメージを覆す「おいしさ」が持ち味です。それに加えて、これらの新系統は芒(穀実の先の長い毛)が短くて少ない、あるいは無いことから、加工・調整機械に詰まることが少なくなり、加工業者の方々にも喜ばれるものと期待されます。
県北農業研究所では、所内圃場および県内数カ所で栽培試験を行い、ヒエ新系統の年次変動や特性の把握に努め、平成20年度中の品種登録申請を目指しています。また、生育の途中経過は、本コーナーに随時掲載していく予定です。
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ヒエ育成系統の成熟期および苗の草姿
(左から「もじゃっぺ」、ヒエ岩手1~3号、「達磨」) -
「ヒエ岩手2号」の田植機による移植
(撮影日:平成20年5月13日)
(県北農業研究所作物研究室 主任専門研究員 仲條 眞介)
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