お国でいろいろ「いものこ」談義 in「週刊ことばマガジン」
平成21年2月28日、IAT岩手朝日テレビ「週刊ことばマガジン」で、当センターが紹介されました。この番組は、東北6県と新潟県の方言を紹介する番組(制作:KHB東日本放送、テレビ朝日系列7局ネット)です。
今回、岩手県北上市の方言として「いものこ」が取り上げられることになり、農業研究センターで収録された「イモ座談会」が番組中で放送されました。農業研究センターから3名、中央農業改良普及センターから2名の職員が参加して、IATの中尾考作アナウンサーを加えた計6人で座談会を行いました。
お題・その1「『イモ』といえば真っ先に思い浮かぶのは?」
八幡平市(岩手県北)の出身者が「ジャガイモ」を挙げたのに対し、千葉県出身者は「サツマイモ」、青森県出身者は「ナガイモ」と、出身地の特産品となっているイモを挙げ、それぞれのお国柄を忍ばせていました。
お題・その2「『いものこ』って何だ?」
「いものこ」とは、岩手県などで「サトイモ」のことを指す方言です。「はじめはよく分からなかった」「ジャガイモの子どもイモかと思った」という県外出身者に対して、街頭インタビューでの北上市民の反応は、当然のごとく「『いものこ』は『いものこ』!」だった、というエピソードが中尾アナから紹介されると、一同爆笑となりました。そこで、農業研究センターの北上市出身者が「小さいころから『いものこ』という言葉が定着しているからだ」と説明すると、「なるほど」と納得する一同でした。
お題・その3「『いものこ』は他のイモと何が違うの?」
おおまかに言うと、サツマイモやジャガイモは、種芋に対して商品となるイモが対等な関係にあるのですが、「いものこ(サトイモ)」の場合は、種芋に親芋が着き、親芋に子芋が着き、子芋に孫芋が着くというように、親・子・孫という段階的な着き方をします。北上市で栽培されている「いものこ」は、「二子いも」として有名ですが、孫芋を主に食べる一般的なサトイモと違い、子芋が美味しいという特徴があります。
なお、東北大学方言研究センターの小林隆教授によれば、「古くは、一般的にイモといえば「サトイモ」の事を指し、“イモノコ”とは『サトイモの子芋』を指す言葉である」とのことでした。ふだん何の気なしに使っている言葉にも、それぞれ「語源」となる歴史があるのだなあと、とても勉強になる番組でした。
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皆さんご存じの「サトイモ」
「いものこ」と呼ばれるそのわけは? -
当センター内で行われた「イモ座談会」
千葉、青森の出身者を含めた6名で -
千葉県出身のY専門研究員が「いものこ」から最初に連想したものは?
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一般的なサトイモと北上市特産の「二子いも」との違いについて説明
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番組監修を担当されている東北大学方言研究センター・小林教授
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(企画管理部研究企画室 専門研究員 阿部 弘)
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