元気の源は強い「胃袋」から! ~ 子牛の人工哺乳方法を研究中です
子牛が元気に成長するために、胃腸を健康に保つのが大切であることは、我々人間と変わるところはありません。牛には4つの胃袋がありますが、その中でも「ルーメン(第一胃)」を発達させることが、子牛の発育にとって特に重要な要因として挙げられます。ルーメンを発達させるには、その大きさだけでなく、胃壁の厚さと胃の表面の絨毛組織を充実させる必要があります。
ルーメンの発達には、穀物が発酵したときに生産されるプロピオン酸や酪酸などの「揮発性脂肪酸」が重要に関わっています。これらによって絨毛粘膜の表面積が広がり、揮発性脂肪酸の吸収量が増加することによって、子牛の成長が促進されます。
一方、β-ヒドロキシ酪酸(BHB)は、ルーメン絨毛の発達に関与する酪酸が絨毛粘膜で代謝されてできる物質で、子牛のルーメン発達の指標になると考えられています。そこで、家畜育種研究室では、血中のBHB濃度が子牛の発育に反映することを明らかにし、BHB濃度を指標とした人工哺乳方法について検討しています。
これまでに、BHB濃度と哺乳中の人工乳摂取量との間に密接な関係があり、摂取量の増加に伴ってBHB濃度が上昇することを明らかにしました。さらに、離乳までに必要なBHB濃度や人工乳総摂取量、離乳後の増体との関係などを調査し、研究を進めています。
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哺乳中の子牛
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離乳後の子牛
濃厚飼料、乾草を採食
(畜産研究所家畜育種研究室)
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