加工食品の「安全・安心」を守るために ~ 加工用ほうれんそうの栽培試験を実施中です
「料理するには包丁は要らぬ、ハサミがあれば事足りる」。いつの頃からか巷ではこんなことが言われるようになりました。つまり、調理済みのものが入った袋を開ける、そのためにハサミがあれば十分、ということなのでしょう。このように、調理の手間がいらない加工済み食品は、忙しい現代を生きる家庭の食卓には欠かせなくなっており、その需要は増加の一途をたどっています。
これまで、その原料の多くを中国をはじめとする外国産の農産物に頼ってきた加工済み食品ですが、農薬事故問題などにより、今では「安全・安心な」国産品を求める業者が多くなっています。これらの声に応えるべく、県北農業研究所では県の主力野菜品目であるほうれんそうを対象として、業務・加工用にも対応できる栽培方法について研究を開始しました。
研究の内容は次のとおりです。
- コスト生産が可能な露地栽培に適する品種の選定
- 定時定量出荷のために、栽培・出荷可能時期についての検討
- 大型化(40~50cm程度)を可能にする栽植密度、施肥量についての検討
- 省力栽培が可能な機械体系の確立
「忙しくて料理に時間がとれない」、そんなご家庭にも「安全・安心な岩手県産ほうれんそう」を届けたい、そんな願いを胸にこれからも研究に取り組んでいきたいと思います。
-
加工用ほうれんそうの品種比較試験の様子
-
コンテナ出荷用の調製作業の様子
(県北農業研究所園芸研究室 専門研究員 田代 勇樹)
このページに関するお問い合わせ
岩手県農業研究センター 県北農業研究所 果樹・野菜研究室
〒028-6222 岩手県九戸郡軽米町大字山内23-9-1
電話番号:0195-47-1074 ファクス番号:0195-49-3011
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。