美しさを保つ秘訣は? ~ りんどうの鮮度保持技術の確立
近年、本県産の一部のりんどうに対して、「花持ちが良くない」との評価を受けることがあります。一方で、りんどうの収穫後の花持ちに関する知見は、これまでほとんどありませんでした。
このため、保鮮流通技術研究室ではりんどうのエチレン注)生成や感受性、呼吸量などについて調査を行ってきました。これまでのところ、エチレン生成はほとんどなく、呼吸量は多めであることが判ってきています。
この結果を受けて、りんどうの花持ち性向上のために、流通期間中の温度管理や栄養補給などの前処理剤及びフィルム包装などの効果について検討を行っています。
今後、本県産りんどうが消費者の皆さんからこれまで以上に喜ばれるように、できるだけ長くとれたての色や姿を保つ鮮度保持技術を確立し、海外への輸出に向けた輸送技術にも利用していただければ、と考えています。
注)エチレン:化学物質の一種で植物ホルモン(成長調節物質)として働きます。一般的には「老化ホルモン」と呼ばれ、果物を成熟させる作用が良く知られています。切り花の場合、エチレンの生成を抑えることで花持ちを良くすることが期待されます。
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エチレンガス暴露2日後のりんどう切り花の状態(左:暴露無し、右:暴露あり)
品種:ジョバンニ、エチレンガス10ppm・48時間暴露処理 -
台湾着荷時(採花5日後)の状態
一部褐変した花が見られる
(品種:アルビレオ)
(生産環境部保鮮流通技術研究室 専門研究員 宍戸 貴洋)
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