人と環境にやさしい米づくり ~「無農薬&無化学肥料栽培」を目指して
環境問題への関心や、安全・安心な食品を求める消費者ニーズは、年々高まる一方です。岩手県では、県産農産物の安全・安心への信頼を高め、本県農業・農産物のイメージアップを図るため、「環境と共生する産地づくり」を推進しています。
そこで農業研究センターでは、化学合成農薬や化学肥料の使用を大幅に減らし、環境にやさしい水稲栽培技術の開発を目指し、平成19年度から盛岡市玉山区において「水稲における特別栽培農産物注)等生産技術の安定化実証試験」を行っています。
試験1年目の本年は、
- 温湯消毒とプール育苗を組み合わせた育苗期の病害虫防除
- 化学合成肥料の代わりに有機質100%肥料を用いた施肥法
- 除草剤を使わず固定式除草タインを用いた機械除草
これらの技術を組み合わせて、慣行栽培では16成分の農薬を3成分に減らす取り組みを行っています。除草技術については、株間に雑草が残ったことから今後さらに検討が必要ですが、7月下旬の時点では病害虫の被害も見られず順調に生育しています。
注)特別栽培農産物:「農業の自然循環機能の維持増進を図り、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り軽減する」ため、農薬の使用回数(有効成分数)および化学肥料のチッ素成分量を、従来の5割以下に減らして栽培されたものです。
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固定式除草タインを用いた機械除草試験
特殊な爪を組み合わせ条間を走行し、物理的に除草する -
実証農家と関係機関による現地検討会
(撮影日:平成19年7月13日)
(生産環境部環境保全研究室 専門研究員 洞口 博昭)
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