モリモリ食べて「おいしい牛乳」を!乳牛の夏バテ防止に効果的なTMR給与法

ページ番号2006384  更新日 令和4年12月13日

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 乳牛には、1日24時間をどのように採食、横臥・休息などの行動をとるか時間配分(カウタイムバジェット)があり、その基準時間に近づけるように管理することが、牛乳の安定生産の大きなポイントです。しかし、牛は人間よりも暑さに弱く、暑熱時には大きなストレスを受けることから、エサの採食量が減り乳量・乳質が低下する原因となっています。そこで、採食行動が比較的多く観察される夕刻から夜間にかけて、エサの採食を促進する管理方法が求められていました。

 家畜飼養研究室では、採食行動の促進を目的として、TMR注)を給与する時間帯の違いが牛の行動や産乳性へ与える影響について検討しました。TMRは1日1回給与とし、給与時刻を朝10時00分と、夕方16時50分とする2つのグループに分け比較して調査した結果、夕方にTMR給与を行うグループの方が、採食並びに横臥休息時間が長くなり、乳成分においても、乳脂肪分率、無脂乳固形分率の低下を緩和することができることが明らかになりました。

注)TMR(Total Mixed Rations):切断した粗飼料と濃厚飼料を混合し、乳牛が必要とする全ての飼料成分の栄養水準が均一に保たれた飼料。

  • エサを食べず佇立している牛の写真

    暑さによるストレスのためエサを食べず佇立している牛群

  • TMRを採食している牛の写真

    TMRを採食している牛群

(畜産研究所家畜飼養研究室 専門研究員 越川 志津)

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