ペースト肥料側条二段施肥で減肥+脱プラを実現!…に向けた試験をしています
土壌肥料研究室では、肥料価格の高騰や肥料の脱プラスチックの機運の高まりに対応するべく、水稲の新たな施肥技術の開発に取り組んでいます。このうち、価格高騰と脱プラスチックを同時に解決することが期待される「ペースト肥料側条二段施肥」を御紹介します。
ペースト肥料側条二段施肥は、田植えと同時に粘性のある液状肥料を稲株の条に沿って土中に上段(深さ3~4cm)と下段(深さ10~12cm)の二段で施肥する技術で、初期生育の確保と省力化が期待されます。
本県では、平成2年度に試験研究成果として公表していますが、令和5年度から「脱プラスチックと減肥による環境負荷の低減」という視点から改めて試験を行っています。前年度は、プラスチック被覆一発肥料の全層施肥と比較して、「窒素ベースで施肥量を10%減じても精玄米重と玄米品質は概ね同等」という結果が得られました。
本年度は、干天による水不足に悩まされていますが、写真のように施肥による生育差が現われてきました。引き続き、下層の施肥窒素の動態や窒素利用効率といった詳細なデータを蓄積し、今後の研究成果につなげていきます。
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ペースト側条二段区と対照区の比較
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ペースト二段区は株のボリュームが大きい
場所:北上市成田(農業研究センター内ほ場)、撮影日:令和6年6月24日
(生産環境研究部土壌肥料研究室 専門研究員 佐々木 俊祐)
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