岩手と沖縄との「かけはし」でニーズに応えるチルド米飯用の品種育成を加速!
作物育種研究室では、令和2年度から農研機構生研支援センター「イノベーション創出強化研究推進事業」の支援を受け、沖縄県農業研究センター、農研機構、東京農業大学および伊藤忠食糧株式会社と「チルド米飯ニーズと加工製造課題に即応する超多収低アミロース米系統の早期育成」に取り組んでいます。この研究は、おにぎりや持ち帰り弁当等の中食(なかしょく)用のニーズに応えるため、超多収で加工適性に優れた(機械に付着しにくい)チルド米飯用低アミロース米系統の早期育成を行うものです。
沖縄県の温暖な気候を活かした二期作栽培(1年に2回水稲を作付)により、通常の2倍の速さで多くの種子をほ場選抜により獲得するとともに、DNAマーカーの活用と成分分析の統計解析による選抜で、栽培特性と加工適性に優れた系統を効率よく探し当てます。とはいえ、人の目による選抜は必要であり、1期作の収穫と2期作の播種の間は1か月しかないため、急ピッチで調査や解析を進めなければなりません。また、遠く離れた岩手から沖縄の台風情報を気にするなど心配の種は尽きません。
折り返しを迎えた本研究ですが、目標を達成する多収系統を順調に育成しています。岩手から画期的なイノベーションを創出できるよう取り組んでいます。
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沖縄農研の職員と一緒に多収の650株を選抜
(11月 沖縄県農業研究センター名護支所) -
すぐに室内で穂だけに切り分け3日程度乾燥した後、岩手に空輸します
(生産基盤研究部作物育種研究室 主査専門研究員 小舘 琢磨)
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