ポスト「クンプウ」はどれだ!? ~ 牧草チモシーの極早生品種比較試験
チモシーは、岩手県の基幹となる牧草の一つです。耐寒性に優れることから、主に高標高地や冷涼な地域で利用されている草種です。他のイネ科牧草に比べて嗜好性が良いことが特徴です。県が奨励する品種の中では、梅雨前に収穫可能な極早生品種の「クンプウ」が最も多く利用されていますが、耐暑性は「やや弱」です。
盛岡市の年平均気温は、10年前と比較し約1℃上昇しており、日最高気温が35℃以上(猛暑日)の高温条件となる日が増加傾向であることから、耐暑性を備えた極早生品種を選定する必要があります。
そこで畜産研究所では、研究機関等で育成された極早生の新系統・品種の適応性を明らかにするために、滝沢市(標高250メートル)と盛岡市薮川(標高680メートル)の2か所で試験を行っています。
平成30年の秋に播種を終え、草丈や乾物収量の調査、越冬前後の株数による越冬性の評価や、越夏直後の草勢や葉枯れの程度による越夏性の評価を行っています。2年後の冬には、ポスト「クンプウ」となり得る品種が選定される予定です。どうぞご期待ください。
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越冬株調査の様子
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1番草刈取間近の新系統の草勢
(畜産研究所家畜飼養・飼料研究室 専門研究員 髙村 聡美)
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