草地の「肌荒れ」を空からチェック! ~ ドローン空撮による牧草地の植生調査

ページ番号2004643  更新日 令和4年2月8日

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 外山畜産研究室では、草地の更新・整備を円滑に行うため、牧草地の荒れ具合を効率的に診断する方法として、近年普及してきているドローンと空撮カメラ及び画像の処理ソフト等を活用し、牧草地の空撮画像から植生や裸地の状態を効率的に把握する技術の開発に取り組んでいます。
 空撮に要する機械や画像処理ソフト、調査方法等については、岩手大学の草地学研究室との共同研究により、そのノウハウの提供を受けながら進めています。

 平成30年から2か年は、草地の裸地の状況を空撮画像から得られるNDVI注)を指標に、草の被覆率(反面は裸地化率)として評価できないか、その相関関係等から検討しています。
 表土の表れている場所と草の繁茂している場所の違いは判断できますが、その間の段階的な見方をどうすればよいか、評価しやすい撮影の時期や撮影方法、撮影画像の処理・解析の流れを整理する作業をしています。

 畜産研究所の草地圃場に10メートル四方の3連の調査区を設定し、1メートルマスの被覆率と並行して空撮した画像情報から算出した同地点のNDVIとの関係式を導きます。最終的には、草地圃場全体の空撮画像のNDVIを推定式に当てはめることにより、効率的に草の被覆率(被覆率の低いところは裸地率の高いところ)の程度を評価できるようにすることが目標です。

注)NDVI(正規化植生指数)は、植物の葉緑素の活性が高いと高く、草のない裸地では低くなるので、裸地と牧草繁茂地の違いがわかります。

  • 調査草地圃場の写真

    調査草地圃場(可視光、高度50メートル)
    白点域が精密調査区域、右端に裸地
    平成31年4月24日撮影

  • DVI化処理した画像の写真

    DVI化処理画像
    点線内の調査区域で1メートルマスを設定し測定
    白色が緑草、黒色が裸地をそれぞれ示す

(畜産研究所外山畜産研究室 主任専門研究員 吉田 力)

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