「小麦農林10号」企画展の準備中です
今年(令和7年)は“昭和100年”。世界的な「緑の革命」の原動力となった「小麦農林10号(以下、農林10号)」が、岩手県で昭和10年に生まれて90年を迎えます。「農林10号」は、岩手県農業研究センターの前身である岩手県立農事試験場におかれた国の試験地において、農林省(現、農林水産省)から派遣された地方農林技師の稲塚権次郎(いなづかごんじろう)と岩手県農林技手の浅沼清太郎により育成されました。
「農林10号」の最大の特長は、稈(イネ科植物の茎)が50~60cm程度と短いのに、10cm程度の大きな穂をつけることです。第2次世界大戦以降、「農林10号」は海外に渡り品種育成の交配親として使われ、半わい性(背は低いが穂が大きくなる性質)の品種を数多く生み出しました。「農林10号」の子孫品種たちは、肥料を多く与えても倒れないため、メキシコ、パキスタン、インド等の国々で、食糧として重要な小麦の収穫量を飛躍的に増加させ、多くの人々の命を救いました。これが「緑の革命」です。
世界に貢献した歴史的品種の生誕90年を記念し、岩手県立農業ふれあい公園の農業科学博物館で企画展示を行います。詳しい日程は、当センターのホームページ等を通じてお知らせします。
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ポット栽培中の「農林10号」と両親(後列)
(種子提供:農研機構 遺伝資源研究センター 農業生物資源ジーンバンク) -
上:岩手県立農事試験場本場(昭和8年頃)
下:農林省指定小麦地方的試験地(昭和6年頃)
(生産基盤研究部長 仲條 眞介)
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