水稲品種の系統と原原種の選抜を行いました
皆さんは岩手県のお米の種子がどのように作られているかご存じですか?
岩手県の水稲品種の種子は、当センターで保有する「系統」を始まりとして「原原種」および「原種」、そして採種農家のもとでは「一般種子」と段階を経ながら数年かけて増殖されます。この「一般種子」が生産農家のもとで栽培され、皆さんが食べるお米が収穫されます。増殖の各段階では、病害虫防除はもとより、品種本来の特性と異なる個体などの抜取りが行われており、これにより品種の特性や種子の品質が保たれます。
生産システム研究室では、増殖過程のうち、「系統」から「原種」の生産までを行っています。令和6年も、春に「系統」を播種し、ほ場で異型株等を除去し選別を重ねた集団から、一部の株を選抜して収穫しました。現在、室内で玄米品質等も加味して更なる選抜を行っています。こうして選び抜かれた「最もその品種の特性を保持した」たった数十株を「系統」として再び保存し、集団の残りは「原原種」として翌年以降の増殖用種子となります。
お米を食べる際は、選び抜かれた株からとれた種子が年月と人の手をかけて美味しいお米となり、皆様のもとに届けられていることに時々、思いを巡らせていただければ幸いです。
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「原原種」の収穫風景
(栽培する区画も小さいです) -
自然乾燥風景

(生産基盤研究部生産システム研究室 専門研究員 多田 周平)
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