田んぼの上にも27年? ~ 有機物連用試験結果を取りまとめ中!
岩手県の畜産産出額は全国4位であり、県内各地には畜産由来の有機質資源が豊富に存在しています。そして、昨今の肥料高騰を受けて、輸入依存度の高い化学肥料から国内の肥料資源(家畜ふん堆肥・下水汚泥等)を有効活用する動きが活発になっています。
さて、土壌肥料研究室では、水田や畑地への畜産由来の有機質資源の投入が、作物と土壌に与える影響を把握するため、「有機物連用試験」を実施しています。この試験は、本年で27年目を迎え、1998年から脈々と続けているものです。
このうち、水田では「牛ふん堆肥」と「稲わら」に着目し、その投入量や組み合わせを複数パターンに分けて調査しています。
これまで、「牛ふん堆肥」と「稲わら」での違いや「牛ふん堆肥」の適当な投入量について、主に土壌化学性に着目した研究成果をまとめてきましたが、より詳細な水稲の生育反応や「牛ふん堆肥」と「稲わら」を併用した場合の効果については、十分に解析できていませんでした。
現在、水田土壌に投入する有機質資源の種類や投入量に加えて、それらの組み合わせが、水稲の生育反応や収量、土壌化学性に及ぼす影響のほか、有機物由来の栄養分が水稲の生育期間を通じてどのように供給されているのかを整理しています。今後、試験研究成果として取りまとめる予定なので、期待してお待ちください。
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稲わらを細断する様子
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稲わら有り・無しの比較
場所:岩手県農業研究センター圃場(北上市成田)
撮影日時:令和6年10月22日
(生産環境研究部土壌肥料研究室 専門研究員 佐々木 俊祐)
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