精農は土をつくる ~ 毎年恒例の土壌調査が始まりました!
土壌肥料研究室では、県内農耕地土壌の土壌理化学性や施肥管理の経年変化を把握するための「土壌機能実態モニタリング調査」のほか、農林水産省の委託を受けて「農地管理実態調査」と「地力調査」を実施しています。
このうち、今期から始まった「地力調査」は、全国農耕地の土壌養分、土の硬さ、排水性などを把握し、土地の生産力を明らかにすることを目的に実施しています。今回、県内某所の水田土壌で行った調査の様子を少しだけ御紹介します。
調査地点の一部では、作土層(耕起などの人為的な影響を受けた層)のすぐ下に強粘土質土壌が確認されました。水田は元々水を貯める機能があるため、転作としてコムギやダイズ、野菜を栽培するために畑にした場合、その排水性が問題になることがあります。特に、強粘土質土壌は水が抜けにくいため、地表面・作土層に停滞している水を如何にして下層に排水するかが転作のカギになります。
「精農は土をつくる」ということわざがあるように、優れた農産物の生産にはよい土づくりが欠かせません。一般の土壌分析では化学性(土壌養分の多少)しか分からないため、この調査により県内各地の農地土壌の物理性(土の硬さ、排水性など)まで明らかにして、よい土づくりの推進に役立てていきます。
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土壌断面調査の様子
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作土層直下から図画工作の授業で使うような粘土が出てきました
(生産環境研究部土壌肥料研究室 専門研究員 佐々木 俊祐)
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