松くい虫被害対策 マツノザイセンチュウ抵抗性アカマツ品種の開発

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ページ番号1008312  更新日 平成31年2月20日

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松くい虫被害防止のための「抵抗性品種」

岩手県林業技術センターでは松くい虫被害の対策として、昭和61年(1986年)からマツノザイセンチュウ抵抗性品種の開発を行ってきました。
今般、約20年の研究の成果として、従来のアカマツと比べて1.7倍の抵抗性を持つ品種が生まれ、平成19年度から東北各県に先がけて岩手県で苗木の供給が始まりました。

マツノザイセンチュウ被害と抵抗性

マツノザイセンチュウ(マツ材線虫)は、カミキリムシが枝先につける傷口からマツ樹体内に侵入し、爆発的に増殖してついには木を枯らします。もともと日本にはこれほどひどい病害を引き起こす材線虫はおらず、輸入木材から抵抗力のない日本のマツに感染した結果、松くい虫被害が拡大したと考えられています。
ところが、この材線虫の原産地であるアメリカ東海岸中南部では多くのマツが生育しているにもかかわらず、被害が軽微なことから、現地のマツには先天的な「抵抗性」が存在すると考えられたのです。

抵抗性品種の開発

岩手県では、昭和61年から抵抗性品種の選抜をスタートさせました。
県内の採種園で育てているアカマツ1本ごとにタネを取り、苗を育て、材線虫を人工的に注入する接種試験を行い、先天的な抵抗性をもつ親木を選び出しました。
この抵抗性の高いアカマツを1箇所に集めて植栽することにより、抵抗性の高いタネを生産する採種園を作ります。平成11年に作った採種園から、平成16年には600グラムというわずかな量ながらタネを採り始め、平成19年に苗木の出荷を開始することができました。

抵抗性は従来アカマツの1.7倍

材線虫を接種して、苗がどの程度生き残るかを調べた試験の結果、従来の岩手県産アカマツ苗の平均生存率は31%であったのに対し、今回出荷された苗は平均生存率が54%になりました。
これは従来と比べ、生存率が1.7倍も改善されていることを示しています。

抵抗性品種の今後

採種園からとれるタネの量は現在わずかな量ですが、採種園の成長とともに今後増えてきます。
現在も引き続き、抵抗性の高いもの同士の交配を行ったり、県内の松くい虫被害地で生き残った強いアカマツを集め、さらに抵抗性の高いアカマツを提供できるように取り組みをすすめております。

抵抗性アカマツ苗の入手に関するお問い合わせ先

苗木の注文のお問い合わせ

岩手県山林種苗協同組合
電話:019-622-2729

または最寄りの森林組合へ

植栽に関するお問い合わせ

最寄りの森林組合
または 最寄りの地方振興局林務担当部へ

アカマツと枯れたアカマツの写真

マツノザイセンチュウの写真

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このページに関するお問い合わせ

岩手県林業技術センター 研究部
〒028-3623 岩手県紫波郡矢巾町大字煙山第3地割560-11
電話番号:019-697-1536(内線番号:161) ファクス番号:019-697-1410
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。