岩手県立農業試験場研究報告 第31号

ページ番号1041565  更新日 令和3年4月14日

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水稲品種「ゆめさんさ」の育成

木内 豊・新田政司・佐々木 力・扇 良明・中西商量・石川 洋・菅原浩視・上野 剛

  1. 岩手県に適する中生の安定登熱性を備えた、良質・良食味・耐病性の水稲新品種の育成を目標に、岩手農試において、「初星」/「庄内32号」が交配され、その後代を譲り受けた県南分場が「ゆめさんさ」を育成した。1993年から岩手県の奨励品種として普及に移された。
  2. この品種の特性は次のとおりである。
    1)出穂期は「チヨホナミ」並、成熟期は「あきたこまち」よりやや早い「中生の早」。
    2)稈長は「あきたこまち」並~やや短い「中」。穂長は「あきたこまち」よりやや短い「やや短」。穂数は「あきたこまち」より多い「多」。中稈の偏穂数型品種である。
    3)耐倒伏性は「あきたこまち」より強く、「チヨホナミ」に近い「中」である。
    4)収量性は「あきたこまち」並~多収(特に奨決現地)、多収品種の「チヨホナミ」よりは少収である。
    5)玄米千粒重は「あきたこまち」より重い。玄米の外観品質は「あきたこまち」並。
    6)いもち病真性抵抗性遺伝子型はPi-iと推定される。葉いもち・穂いもちに対する圃場抵抗性は「チヨホナミ」より強く、「あきたこまち」並の「中」。
    7)障害型耐冷性(減数分裂期~出穂期)は「中」。
    8)穂発芽性は「トドロキワセ」並の「難」。
    9)白米中のタンパク含量は「あきたこまち」より低く、「チヨホナミ」並~やや低、アミロース含量は「あきたこまち」よりやや高い。その他の食味関連特性も良好な品種である。
    10)食味官能評価は「チヨホナミ」より良好、「あきたこまち」並~良好。
    11)岩手県における「ゆめさんさ」の栽培は、北上川中下流及び中南部沿岸地帯が適地であり、「あきたこまち」、「チヨホナミ」の栽培地帯において普及が見込まれている。

水稲品種「かけはし」の育成

扇 良明・畠山 均・佐々木 力・木内 豊・石川 洋・新田政司・小田中浩哉・中野央子・上野 剛

  1. 「かけはし」(旧系統名「岩手34号」)は早生の耐冷、良質、良食味を目標にコチミノリ/庄内32号(はなの舞)の組合せから育成された中短稈偏穂数型の粳品種である。1992年度に岩手県の奨励品種として採用された。
  2. 出穂期、成熟期とも「いわて26」と「たかねみのり」の中間で、育成地では「ハヤニシキ」並からやや早い「早生の早」に属する。
  3. 稈長は「たかねみのり」並からやや短い中短稈で穂長は「たかねみのり」よりやや短く、穂数は「たかねみのり」並からやや多い。また、2次枝梗着籾比率が高い。
  4. いもち病真性抵抗性遺伝子Pi-iをもち、圃場抵抗性は葉いもちが「中」、穂いもちは「やや強」である。
  5. 幼穂形成期から減数分裂期にかけての障害型耐冷性は「ハヤニシキ」より強く、「コチミノリ」、「たかねみのり」と同程度の「強」である。
  6. 耐倒伏性は「やや強」、穂発芽性は「中」程度である。
  7. 収量性は「たかねみのり」並からやや多収である。
  8. 玄米品質は「たかねみのり」並であるが多肥条件ではやや劣る。食味は「たかねみのり」に優り、「あきたこまち」並である。
  9. 普及見込み地帯は岩手県中・北部地帯の標高が概ね250~350m地帯、および北部沿岸地帯である。

【資料】岩手県立農業試験場農業気象観測資料(平成8年11月)

(摘要なし)

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