岩手県立農業試験場研究報告 第22号

ページ番号1041636  更新日 令和3年12月13日

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葉たばこの乾燥過程に発症する灰褐色異常葉に関する研究

佐々木信夫・菅野昭五・渡辺久男・渋谷政夫

 葉たばこの生理斑点病のうち、乾燥過程に発症する灰褐色異常葉について、その原因物質の探策と、異常葉領域の策定を検討した結果、次のような成果がえられた。

  1. 葉たばこの乾燥過程に発症する灰褐色異常葉は、水田転換畑および基盤整備開畑の何れの土壌立地条件においても発症した。
  2. 灰褐色異常葉の症状程度の重症なものほどマンガン含量が明らかに高濃度を示した。
  3. 発生した圃場のマンガン含量は、水田転換畑では判然とした傾向性を示さないが、概して易還元性マンガンが多い傾向が認められ、基盤整備開畑では、母材に易還元性マンガンが高濃度に含有され、これが開畑の土壌中のマンガン含量を高めていたことが原因であると帰納された。
  4. ポット栽培において、マンガンの多用量段階別によって、次第に葉たばこの生育抑制をきたし、ネクロシスを生じ、その乾燥葉は顕著な黒褐色を呈してき、明らかに灰褐色異常葉を発症することが実証された。
  5. マンガンは、土壌の反応・酸化還元電位等によりその吸収程度が異なり、pHが酸性側に傾くほど吸収量が増大し、逆にpHを矯正してpH6以上にすると、極めてマンガンの吸収が抑制され、葉たばこも健全になってきた。このことからこの灰褐色異常葉の発生を抑制する対策技術の理論的根拠が実証された。
  6. その他の成分では、鉄は葉色の暗色化をやゝ助長し、塩素の併用は、葉たばこの葉質を劣悪化し、マンガンの吸収酸化を助長し、葉色を暗色化させることが知られた。
  7. しかしポット栽培によってえられた葉たばこは、マンガン含量が現地圃場産のものに比し数倍の高含量を示し、限定された容積中に高濃度に施用されたマンガン等の塩基類ほ、過剰にぜいたく吸収されたことになり、これは葉たばこが一種のマンガンのAccumulator Plantとしての特性を示したものと解される。
  8. このような土壌の化学性のほか、現地においては、水田転換畑の高地下水位による土壌の弱還元によるマンガンの可溶化、根圏の過湿によるたばこ根の生理活性の低下、とくにマンガン酸化能の低下による易還元性マンガンの吸収増大等が関与している。
  9. また転換畑産の葉たばこは、大出来なので、乾燥過程で密吊りによる生葉間の排湿不良で、適温加湿下で長期にわたってマンガンの酸化に関与するパーオキシダーゼ活性が持続し、乾燥過程でマンガンの酸化沈積割合を増大させたことにもよる。
  10. 灰褐色異常葉は、その症状は、たばこ葉のほぼ全面に黒褐の微小斑点が多数群発しており、重症のものは、かさぶた状に浮腫を形成していることもある。
  11. 顕鏡下では、微小斑点は黒色をおび、明らかな輪郭をもって点在し、横断面では表皮細胞が多く黒褐変し、つづいて内部の柵状組織が侵され黒褐変してくる。重症になると下面表皮にも黒褐斑が生じ、また上面表皮から下面表皮まで貫通して黒褐色を呈することもある。
  12. さらに高倍顕鏡下で、斑点物質は黒灰色の小顆粒をなして表皮細胞の内部に沈積していることが確認された。
  13. このことから、この斑点物質は、乾燥過程において、たばこ葉の水分の脱失による生理活性容量の減少にともない、濃縮されて系外に安定な酸化物として排出され、表皮下に没積した酸化沈積物であることが判明した。
  14. この斑点物質を化学検定法により構成物質を検索した結果、有機色素系ではないこと、数種の特異反応によりマンガン物質であることが確認された。
  15. その酸化還元電位より3価以上のマンガンの高次酸化物であることが知られ、種々の結果から二酸化マンガンであると考えられた。
  16. その反射分光特性を、マンガンの数種の高次酸化物と対比して解析した結果、二酸化マンガンであることが確定した。
  17. さらに、X線マイクロアナライザーにより、斑点はマンガン以外のドミナントな成分はなく、マンガンそのものから成っていることが同定され、これと先の測定結果より、灰褐色異常葉の斑点物質は二酸化マンガンそのものであることが確定された。
  18. 灰褐色異常葉の異常葉領域を、反射分光曲線により解析した結果、可視光域内で400nmから700nmまで極大・極小なく次第に反射率の高まるかたちの分光曲線がえられ、マンガンが相対的に高濃度に含有されるはど、葉色がグレー化し、分光反射率が低下してゆくことが知られた。
  19. それで、分光反射率700nmで相対比較が可能であることが知られ、700nm分光反射率と葉たばこの鑑定の結果とから、700nm分光反射率30%以下が、異常葉領域であると範囲づけられた。
  20. この異常葉領域を、さらに症状程度に対応して細分類し、1.分光反射率30%以上…正常葉、2.同30~25%…軽症葉、3.同25~20%…中症葉、4.同20~15%…重症葉、5.同15%以下…激甚症葉、と5段階に異常葉の程度別領域が策定された。
  21. これを実用的な表色を行なうため、マンセル表色系標準色票を用い検討した結果、色相はいずれもYR系であって、松川葉および白遠州では、すべて5YRと7.5YRとの色相に包括して表色されることが判明した。
  22. さきの分光反射率による異常葉領域の5段階分類と、この標準色票の異常葉領域とから、標準色票による灰褐色異常葉領域を5段階に分類策定し、それぞれの坐標の色票を示し、実用的な比色判定ができるようにした。
  23. この標準色票による異常葉領域の策定により、従来報告されてきたその症状が主観的で不明確で、相互比較が困難であった問題点を解決し、客観的に表色できるので異常葉程度が相互に対比できるようになり、灰褐色異常葉の判定に基準が与えられ、改善された。
  24. このようにして、葉たばこの乾燥過程に発症する灰褐色異常葉について、その実態の調査と内因解析とから発症の原因を検索し、X線マイクロアナライザーにより原因物質を同定し、さらに分光反射特性からその異常葉領域を5段階分類し、これを実用的な標準色票により異常葉領域の比色判定の基準を策定し、灰褐色異常葉の成因解明とその対策に進歩と改善をもたらした。

育苗箱内におけるイネ馬鹿苗病の発生特徴

渡部 茂

  1. 著者は水稲の稚苗機械移植栽培のための箱育苗法において、イネ馬鹿苗病の特異な発生様相すなわち、同一場所で複数株が同時に発病する現象について調査し、その原因について若干の解析を行ない成果をえた。
  2. 現地の育苗箱内における馬鹿苗病の発生実態調査を行なった結果、所定の種子消毒後播種した場合の発病苗率は0.08~0.39%の範囲内であり必ずしも高率とは云えない。しかし、同様の方法で播種した保温折衷苗代、畑苗代ではそれまでほとんど発病していない事実から、箱育苗法は発生を助長する要因があるように推察した。
  3. 農試及び現地2カ所の育苗箱の発病調査から、箱内の発病が同一場所に2~6株と複数である事実を確認した。その内容は1株のみで発病している割合が全発病カ所の33.1%であるのに対し、2株以上で発病している割合が66.9%にも達していた。
  4. 馬鹿苗病罹病種子の混入程度と播種量をかえて育苗した結果は、病籾混入率の高低にかかわらず播種量の多いときはど多発した。また、この場合当然ながら病籾混入率の高い場合ほど多発した。さらに使用した床土3種類で発病程度に差がみられ、粒状培土で複数発病株数が多い傾向を示した。
  5. 同一場所に2株以上の罹病株が存在することは、播種後に若干の保菌種子から周辺種子に二次感染したためであろうと推定したが、この二次感染について育苗箱の型式によって差がみられるか否かについて調査を行った。
  6. その結果、ヤンマー式油紙溝仕切り方式、ヰセキ式4条仕切板毛糸折込み方式、カンリュウ式ビニール折込み方式、サトウ式散播方式など様々の播種様式について、罷病種子(籾培養菌)の位置と周辺株の発病を調査したが、いずれも接種源の周辺で罹病株が多く発生した。
  7. 病原種子(自然感染籾)を中央におき、この左右に連続して各々10粒づつを接触させて播種し、経時的に種子への着菌状況を調査した。播種5日後で病原より1~3粒まで、10日後で3~4粒まで、15日後で6~10粒まで、20日後で10粒まで着菌がみられ、それらはすべてFusarium型の菌糸と分生胞子であることが確認された。
  8. 菌糸伸長が旺盛で胞子形成の顕著な病原菌培養籾を列の一端におき、健全種子を接触させて播種したときの発病状況をくらべた。その結果、接種源から3センチ以内の位置にあたる種子のみが発病し、それ以遠のものは発病がみられなかった。
  9. 病原菌培養籾を中心点におき、これから半径1.0、1.8、2.7センチの円周上に健全粒を連鎖状に播種して、それぞれの円周上の種子の発病状況を調査した。この結果、培土として用いた火山灰土壌ではどの位置でも発病苗(徒長苗)を認めなかったが、人工粒状培土では半径1.8センチの円周上の種子まで発病を認めた。
  10. 箱内における発病は経時的に増加するが、培土によりかなり顕著な差異がみられる。しかし大半の培土では、(1)箱内の発病は育苗期間中は発病率は増加する。(2)箱内で外見上健全株とみられるものでも、移植後に新に発病するものも認められる。(3)このことから箱内では病原菌の潜伏状態の苗か、ジベレリン吸収苗が存在するものとみられる等々の結果が得られた。
  11. 接種源からの距離と二次感染株の発生症状について調査した結果では、病原に近い場合ほど枯死型が多く、遠ざかるに伴って症状の軽い徒長や生育不良型、または籾部の着菌はあるが発病に至らないものなどが多くなった。
  12. 各種の人工培土を用い、この中における馬鹿苗病菌分生胞子の移動について試験した。直径3センチのガラス管内に厚さ3.5センチに培土をつめ、この上方から分生胞子浮遊液を注入し、底部からその透過液を採収して、この液中の胞子数を調査した結果、粒状培土ではその大部分が通過したが、粉状培土で土壌粒子の細かいものにおいては胞子は全く通過しなかった。この傾向は培土の底部に健全種子を置き、上部に病籾をおき覆土上から潅注したのち、この種子を駒田培地に移植した結果ともよく一致し、粒状培土では菌の発育がよく、粉状培土では発育しなかった。
  13. 種籾の浸漬時における感染に関し若干の実験を行った。先づベンレート水和剤、ベンレートT水和剤20を用い、種子量の0.5%湿籾粉衣、同乾籾粉衣、500倍、200倍液24時間浸漬、7.5倍液種子重の3%吹付け等の種子消毒を行った。この種子を2日間水漬けした後とり出し、この浸漬液中において馬鹿苗病菌分生胞子の発芽状況を調査した。この結果、浸漬消毒法を行った種子と、ベンレート水和剤による湿籾粉衣消毒を行った種子を浸漬した液中では胞子の発芽が認められたが、その他の消毒種子を浸漬した液中では発芽しなかった。
  14. 同様に各種の消毒種子を浸漬した液中に赤籾と健全種子を同時に浸漬すると、いずれも健全種子に感染がみられた。しかし、種子に対し薬剤付着の悪い乾籾粉衣法では、その液中への薬剤流出が多いため、この液中においては感染がみられなかった。
  15. 若干の罹病種子の混入したものを2日間浸漬したあと消毒した場合は、薬剤付着の悪い乾籾粉衣法で発病した。また、種子消毒後に病籾を混入して4日間浸漬したあと、この病籾を取り除いて播種した場合は発病がなく、駒田培地上における菌の発育も認めなかった。

水稲箱育苗における苗立枯病の発生生態と防除に関する研究 第1報 Rhizopus属菌による苗立枯病

小川勝美・渡部 茂

  1. 著者らは、イネ苗の稚苗箱育苗において発生するRhizopus属菌による苗立枯病について、その発生様相、伝染経路、発生要因および防除法について明らかにしようとして、1972~77年の6ケ年にわたって試験を実施し次の成果を得た。
  2. 箱育苗で発生する苗立枯病関与病原菌として、Rhizopus属菌、Fusarium属菌、Trichoderma属菌、Pythium属菌等が分離されたが、出芽時30℃を越える高温、高湿度の状態にある育苗器内は、Rhizopus属菌が他の病原菌と比較して優先的に発生し易い条件を与えていることが認められた。
  3. Rhizopus属菌の発生によって、イネ苗の出芽、発根が抑制され、とくに、根では棒状根、球状根などの異常根になることが認められた。さらに、中茎の異常伸長、歪曲、鞘葉肥大などの症状も認められた。発生の甚しいものは腐敗枯死した。
  4. 接種方法について検討した。接種源としては胞子懸淘液の播種時潅注が、フスマ培養菌の土壌混和に比べてイネ苗の生育に対する影響が少なく、有効と考えられた。接種量は、200倍1視野当り約250個の胞子量で箱当り300~400ミリリットル潅注が適量と考えられた。また、玄米粉を播種時に箱当り5グラム散布することによって、自然発生を助長させることができた。
  5. 苗立枯病に関与するRhizopus属菌として、R.arrhizus、R.stolonifer、R.javanicus、R.oryzaeおよびR.chinensisの5種類が確認され、これらの菌株はいずれも種子根または冠根の発根抑制あるいは伸長抑制など根の異常をひき起こし、イネ幼苗に対する病原性が認められた。しかし、R.stoloniferは他の菌株に比べて病原性が弱く、病原性に種間差の存在することが認められた。
  6. Rhizopus属菌の胞子発芽については、出芽種子、傷籾からの浸出液および玄米粉によって胞子発芽が著しく促進されることが認められた。肥料としての硫酸アンモニウムもわずかながら発芽促進効果が認められた。畑土壌煎汁液の胞子発芽促進効果は認められなかった。
  7. Rhizopus属菌の育苗箱内侵入経路について検討した結果、侵入経路として、培土および種子に対する付着、育苗器内の胞子飛散が確認された。更に、これらの侵入菌は種子に混入している傷籾、脱ぷ籾などに対する着菌、あるいは出芽時の種子浸出液によって増殖することが認められた。
  8. 育苗箱内における発生要因については、菌叢の発生は、(1)出芽時の高温(33℃以上)高湿度、緑~硬化時期の低温(10℃前後)高湿度、(2)催芽前種子、催芽後に芽の乾きすぎた種子、傷籾混入種子の使用、(3)通気性、排水不良の培土、育苗箱の使用などによって助長されることが明らかになった。
  9. Rhizopus属菌に対して有効で、イネ苗の生育に悪影響のない薬剤として、TPN水和剤、チウラム・ベノミル水和剤があげられる。この両薬剤について、土壌処理、あるいは種子処理の面から使用法について検討した。
  10. 土壌処理法として、チウラム・ベノミル水和剤は1,000倍液、箱当り1リットルの覆土前潅注が、少発条件で有効と考えられたが、多発条件下では効果が判然としなかった。TPN水和剤は500~1,000倍液、箱当り1リットルの播種前潅注が有効であった。また、TPN水和剤とヒドロキシイソキサゾール剤との併用では、両薬剤の500倍液を箱当り0.5リットル混合潅注した場合に生育抑制などの薬害が認められた。しかし、TPN水和剤1,000倍液の箱当り1リットル播種時潅注と、ヒドロキシイソキサゾール粉剤の箱当り5グラム土壌混和、または同剤1,000倍液の箱当り1リットル緑化時潅注との併用では薬害が認められなかった。
  11. 種子処理法として、チウラム・ベノミル水和剤の効果について検討した。処理有効濃度は種子1キログラム当り成分量で各0.5グラム以上と考えられるが、催芽種子を対象とした場合は、生育抑制があり実用的でなかった。浸種前処理では、10倍液の4~6%量あるいは7.5倍液の3%量吹付け処理(種子1キログラム当り成分量各0.8~1.2グラム)が有効であった。
  12. チウラム・ベノミル水和剤の吹付けによる浸漬前種子消毒は、いもち病、ばかなえ病、ごま葉枯病防除と同時に、Rhizopus属菌、Fusarium属菌、Trichoderma属菌およびPythium属菌等の苗立枯病菌に対しても有効であることが明らかにされ、種子消毒による総合防除の可能性がみいだされた。

水田における稲わら施用と稲作の安定化

千葉満男・島津了司・武藤和夫・内田修吉

  1. 春すき込みの稲わらは、温度上昇にともなって急激に分解する。稲わらの乾物分解率は、6月中旬で25%、7月上旬40%、8月中旬に50~60%の分解率を示す。易分解性の炭水化物の分解量も乾物分解と同様の傾向を示し、7月中旬で約60%の分解率を示す。
  2. 本県における稲わらの秋散布、秋すき込みの分解量は、30~40%となり、この分解量は、暖地の40~50%分解量に対して低い値となった。
  3. 稲わらの秋散布、秋すき込みの各種分解促進剤施用効果は、いずれも石灰窒素におよばない。しかし各種有用菌入り分解促進剤は、土壌改良資材と窒素質肥料の同時散布によって分解率が高まる。またコンバインやハーベスター処理の切断稲わらは、1ケ所60~70キログラム程度堆積し、表面に石灰窒素や乾燥鶏ふんの散布によって簡易に堆肥化がはかられる。
  4. 稲わら施用による土壌環境の変化と可給態養分の動向は、土壌条件によって異り、多湿黒ボク土壌は土壌の還元進行が緩まんである。褐色低地土壌とグライ土壌は、湛水直後よりEhの低下が著しく、二価鉄の生成量が多い。土壌中のアンモニア窒素は、稲わら施用によって25~35%滅少した。また置換性加里は、各土壌ともに稲わら施用によって高く推移する。
  5. 水稲の初期生育におよぼす稲わら施用の影響は、草丈、茎数、葉面積、相対生長率、純同化率いずれも、グライ土壌>褐色低地土壌>多湿黒ボク土壌の順に阻害度が高まった。
  6. 水稲の養分吸収は、多湿黒ボク土壌は、初期の窒素吸収抑制が少ない。しかし、稲わらの分解がすすむにつれて吸収が抑制され最高分げつ期までに約20%の吸収量低下となった。褐色低地土、グライ土壌は、分けつ初期から窒素吸収が抑制され、23~25%低下した。さらに分けつ盛期には、褐色低地土壌24%、グライ土壌43%の吸収抑制となった。その後褐色低地土壌の吸収量は回復し、グライ土壌の回復は緩まんである。
  7. 現地のグライ水田における重窒素利用による施肥窒素の吸収、利用は、稲わら施用によって、分けつ期間中の施肥窒素吸収量が約3分の1~2分の1に減少し、利用率も低下した。しかし、稲わらの有機化、固定にとりこまれた施肥窒素は再無機化によって徐々に吸収、利用される。
  8. 現地圃場における稲わら還元技術を実証した結果、稲わらの秋すき込みで石灰窒素と土壌改良資材の同時施用効果が高く、稲わら施用の基本技術として重要である。またグライ水田において、稲わら全量還元の可能性を示した。
  9. 稲わらの長期連用田は、土壌の窒素供給力が増大して、基肥多水準ほど過大生育となり易く、生育収量が不安定になることから、滅肥することがのぞましい。また稲わら長期連用田ほど、温度上昇によって土壌窒素の無機化量が急激に増大し、幼穂形成期を中心とした稲作期間の最も重要な時期に発現する。さらに穂肥の施用によっても土壌窒素の無機化が促進され、後期まで土壌由来窒素のとりこみが増大する。
  10. 稲わら連用土壌は、土壌中の全有機物が増加し、炭素/窒素比が高まる。そして全窒素に占める全有機態窒素の割合が高まり、塩基置換容量がやや高く、置換性加里含量の富化が著しいことが特長である。また土壌の物理性は、堆厩肥連用土壌と差異がなく、従来堆厩肥がはたして来た水田の総合的な地力維持、増強の役割は十分はたしている。

[資料]奨励品種編入に関する資料

水稲(うるち)「アキユタカ(奥羽301号)」(昭和55年1月)

(摘要なし)

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