敵を倒すにはまず敵を知る ~ 病害虫診断の傾向について

ページ番号1030010  更新日 令和2年5月21日

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 病害虫防除所では、病害虫防除指導の一環として「病害虫診断」を実施しています。ヒトの場合、病気かな?と感じた時、病院で「診察」を受けると思います。この「診察」を、農作物の病害虫診断に読み替えていただくと理解しやすいかと思います。

 農作物では、生産物の品質や収量に影響を及ぼしそうな「異常」(症状)がみられた場合、農家の皆さんは、最寄りの農業改良普及センターやJAに相談すると思います。普及センターやJAでの判断が難しい場合、病害虫防除所で診断をお受けしています。

 農家の皆さんは、異常をみつけたらすぐその対策を知りたいと考えると思いますが、生育異常の原因には、病害虫だけでなく、農作物体や土壌の養分過不足、圃場の排水性のほか、異常天候(寒暖・多雨・乾燥等)などがあります。病害虫であれば薬剤や耕種管理、養分不足であれば追肥、排水性等であれば作付前の改良というように、対策は異なります。

 今回は、病害虫に原因があった診断結果について、ご紹介します(平成19年~令和元年までの傾向)。

  1.  診断依頼の作物別割合(図1)
    野菜が全体のおよそ6割を占め、特にトマトやピーマン等の果菜類の割合が高い。
    次いで、きく類・りんどう等の花き、水稲等の普通作物、りんご等の果樹の順。
  2.  全作物を通じた診断依頼時期と診断結果(図2)
    診断時期: 多くの作物で6~8月に全体の6割程度が集中。また、冬から春にかけては、施設栽培の野菜・花き類や、水稲や野菜の苗の診断依頼が多い傾向。

    診断結果: 病害が全体の64%を占め、中でも糸状菌病(カビが原因)の割合が高く、特にしおれを伴う「萎凋性病害」が多い。

 約20年前は、診断依頼の6~7割を生理障害(養分の過不足、排水不良等)が占めていましたが、現在は普及センターやJA段階での現場診断が積極的に行われていることもあり、病虫害の割合が高くなっています。

 適切な対策を実施するためには、生育不良の原因に迅速かつ正確にたどり着くことが重要です。
 そのため、病害虫防除所では、農業普及技術課農業革新支援担当や普及センターと連携し、研修会等を通じて簡易診断や防除計画立案等の手法を修得してもらうなど、人材の育成をお手伝いしています。

(岩手県病害虫防除所 主査 佐藤 千穂子)

診断依頼の作物別割合のグラフ
図1 診断依頼の作物別割合
診断依頼時期と診断結果のグラフ
図2 診断依頼時期と診断結果

このページに関するお問い合わせ

岩手県農業研究センター 病害虫防除部 病害虫防除課
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