岩手県における2010年(平成22年)の二酸化炭素排出量について
環境生活部環境生活企画室
環境保健研究センター
岩手県環境基本計画(旧計画、平成11年9月策定)では、2010(平成22)年の二酸化炭素排出量を基準年(1990年(平成2年))比で8%削減を掲げ取り組んできたところであるが、当該年の排出量が判明したので報告する。
2010年(平成22年)の二酸化炭素総排出量は、1,156万8千トンであり、基準年(1990年)と比べ、10.2%(131万トン)減少し、削減目標を達成した。
部門別では、産業部門が-17.4%と最も減少率が高く、次いで運輸部門の-3.2%となっている。
一方、民生部門では家庭(+13.8%)及び業務(+9.3%)部門で増加となった。
また、前年との比較では、全体で3.6%増となったが、世界的な景気低迷からの復調により、産業関係のエネルギー消費量が増加したことによる産業部門からの排出量の増加(+13.4%)が主な要因となっている。
参考
岩手県地球温暖化対策実行計画(平成24年3月策定)に掲げる削減目標
2020年(平成32年)の温室効果ガス排出量を基準年(1990年(平成2年))比 -30%
森林吸収による削減量を含めた2010年(平成22年)の二酸化炭素排出量
- 2010年(平成22年)の二酸化炭素総排出量 1,156万8千トン
- 森林吸収による削減量(林野庁公表値) -157万7千トン
- 計 999万1千トン(基準年比-22.4%)
二酸化炭素排出量の推移と削減目標
部門別二酸化炭素排出量
1 産業部門(工場等): 397万2千トン 構成比:全体排出量の34.3%
基準年比-17.4%(-83万3千トン) 前年比 +13.4%(+47万1千トン)
- 基準年と比較し、産業部門からの排出量の約6割を占めていた窯業土石からの排出量が大きく減少した(52.2%、143万6千トン減)。
- 前年と比較では、世界的な景気低迷からの景気回復によって、電気、輸送、鉄鋼業などの製造業において製造品出荷額等が増加し(4.4%増)、それに伴い排出量も増加した。
2 民生家庭部門: 218万5千トン 構成比:全体排出量の18.9%
基準年比+13.8%(+26万5千トン) 前年比+0.1%(+2千トン)
- 基準年と比較し、灯油の消費量は減少(13.2%減)したが、世帯数の増加やエアコン等の普及により電気からの排出量が47.5%(34万3千トン)と大幅に増加した。
- 前年との比較では、夏季の記録的な高温による冷房需要の影響から、電力からの排出量が増加(3.5%増)したが、暖冬により灯油からの排出量が減少(4.3%減)したことから、ほぼ横ばいとなった。
3 民生業務部門 (商業サービス業等): 131万4千トン 構成比:全体排出量の11.4%
基準年比+9.3%(+11万2千トン) 前年比-1.7%(-2万3千トン)
- 基準年と比較し、重油、灯油からの排出量が減少したが、売り場面積の増大等から電気からの排出量が大きく増加した。
- 前年との比較では、夏季の記録的な高温による冷房需要により電気からの排出量が増加したが、暖冬から灯油・重油からの排出量が減少し、全体では前年度から減少した。
4 運輸部門: 257万トン 構成比:全体排出量の22.2%
基準年比-3.2%(-8万4千トン) 前年比-2.2%(-5万8千トン)
- 基準年と比較し、軽油からの排出量が減少した一方で、ガソリンからの排出量は増加し、全体では微減となった。
- 貨物自動車(主にディーゼル車)保有台数の減少(2.6%減)等により、軽油からの排出量が減少(3.8%減)したことにより、前年度から減少した。
5 工業プロセス部門 (セメント製造等): 117万トン 構成比:全体排出量の10.1%
基準年比-46.3%(-100万8千トン) 前年比+2.8%(+3万2千トン)
- 基準年と比較し、セメント原料となる石灰石消費量の減少により、排出量が大幅に減少した。
- 前年との比較では、石灰石消費量が増加したことにより、排出量が増加した。
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