岩手県新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(令和2年5月15日改定)

ページ番号1029871  更新日 令和2年5月15日

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【概要版】岩手県新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(令和2年5月15日改定)

前文

世界的に、聖書の黙示録を思わせるような、新型コロナウイルスの感染拡大が起きている。

日本では、武漢方面からの中国人観光客を主とする「第一波」から、欧米など海外からの帰国者を主とする「第二波」に感染の構造が移り、現在は全国的に感染経路不明な地域が散発的に発生しており、東京都などの都市部に加え、都市部以外の地域においても、都市部からの移動等によるクラスターの発生など、感染拡大が見られる。
このような状況を踏まえ、令和2年4月7日、新型コロナウイルス感染症対策本部長(内閣総理大臣)は、新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下「法」という。)に基づき、緊急事態宣言を行い、7都府県(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県及び福岡県)を、緊急事態措置を実施すべき区域とした。また、令和2年4月16日には、上記7都府県と同程度に感染拡大が進んでいるとして、6道府県(北海道、茨城県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府)を緊急事態措置を実施すべき区域に加えるとともに、全都道府県が足並みをそろえて感染拡大防止の取組を行う必要があるとして、全ての都道府県を緊急事態措置を実施すべき区域とした。
5月4日には、未だ全国的に、相当数の新規報告数が確認されており、今後の急激な感染拡大を抑止できる程度にまで、新規感染者を減少させるための取組を継続する必要があることなどから、引き続き、それまでの枠組みを維持し、令和2年5月31日まで、全ての都道府県について緊急事態措置を実施すべき区域として感染拡大の防止に向けた取組を進めていくこととした。
5月14日には、(1)感染の状況(疫学的状況)、(2)医療提供体制、(3)監視体制の三点に特に着目した総合的な判断の下、8都道府県(北海道、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、京都府、大阪府及び兵庫県)については、引き続き特定警戒都道府県として、特に重点的に感染拡大の防止に向けた取組を進めていく必要があるとした一方、本県を含むそれ以外の39県については、緊急事態措置を実施すべき区域としないこととした。

緊急事態宣言の趣旨を踏まえ、感染拡大防止の効果が最大限発揮されるよう、県民には、特定警戒都道府県をはじめとする相対的にリスクの高い都道府県との不要不急の往来を控えること、特定警戒都道府県をはじめとする相対的にリスクの高い都道府県にいる方には、感染拡大を防止するため、岩手県を含め他地域への往来について控えることが求められる。
また、やむを得ず、全国の様々な地域から岩手県に来県、帰県する方には、今まで滞在した地方自治体の自粛要請の趣旨を踏まえ、感染拡大防止に向けて、来県後2週間、平日夜間や週末の不要不急の外出自粛など慎重に行動すること、欧米等海外からの帰国者には、自宅等指定された場所で2週間待機するなど、検疫の要請に従うことが求められる。

新型コロナウイルス厚生労働省対策本部クラスター対策班は、(1)帰国者の感染事例の増加、(2)相次ぐ施設内感染事例、(3)新たな見えにくいクラスターからの感染者の増加、が特徴であり、(3)の典型が「接待(接客)を伴う飲食の場」と分析している。
今やいつどこででも感染の可能性があり、上記(1)、(2)、(3)が要注意である。

国の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(以下「専門家会議」という。)は本年5月14日の「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」で地域の感染状況に応じ、各都道府県を「特定(警戒)都道府県」、「感染拡大注意都道府県」、「感染観察都道府県」の3区分に分類している(末尾資料参照)。
岩手県は5月14日現在「感染観察都道府県」に当たり、適切な感染対策を実施しながら、これを維持することが、本県の基本目標となる。

新型コロナウイルス感染症対策の基本は、県民及び岩手に関わる全ての人が、密閉・密集・密接(近距離での会話、発声)のいわゆる「三つの密」を避け、マスクの着用や丁寧な手洗いを励行することであり、別の角度から言えば「ソーシャルディスタンス(社会的距離)」を確保することである。
そのような個人の行動を、より確かなものにするためには、個人のみならず、行政や、団体、企業、地域などのあらゆる主体が、予防のために必要な情報を共有し、感染リスク低減のための行動をとることが必要である。また、個人の努力が実らずに新型コロナウイルスに感染した場合、速やかにそれを把握し、治療を行うとともに、周囲への感染拡大を防ぐ体制が必要である。

感染とその拡大を防ぐための行動は、人々の社会活動や経済活動を制限し、岩手の社会・経済に負の影響を及ぼす。新型コロナウイルス感染症対策は長期化が予想され、長期的な対策の維持・展開を可能とする社会の力、経済力の維持が求められるので、県民の命と健康を守ることを最優先にしつつ、社会・経済への負の影響を抑えるための対策も重要である。行政や、団体、企業、地域、個人などのあらゆる主体が、平時とは異なる生産、流通、消費の形を工夫する必要がある。

本県における新型コロナウイルス感染症対策は、「いわて県民計画(2019~2028)」及び「第2期岩手県ふるさと振興総合戦略」と、目指す方向を一にするものである。計画に沿った事業のかなりの部分が、延期や縮小、中止となる可能性がある。
世界規模での危機的状況の中で「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」を目指すためには、予定外の行動や予定外に休むことも必要であり、向かう方向には揺るぎがないことを心に留めながら、臨機に対応していかなければならない。

以下、新型コロナウイルス感染症対策に関する国の基本的対処方針を踏まえながら、本県の基本的対処方針を示す。

新型コロナウイルス感染症の特徴

専門家会議では、新型コロナウイルス感染症の主な特徴として、以下のような見解が示されている。

  • 罹患しても約8割は軽症で経過し、また、感染者の約8割は人への感染はない。
  • 現時点では、有効性が確認されたワクチンは存在せず、治療方法としては対症療法が中心である。

この一方で、高齢者や基礎疾患を持つ方は特に重症化しやすいことなどが報告されており、迅速かつ適切な感染対策に取り組む必要がある。

新型コロナウイルス感染症の対処に関する全般的な方針

  1. 情報提供・共有及びまん延防止策により、クラスター等の封じ込め及び接触機会を低減させ、感染の防止と感染拡大の抑制を図る。
  2. サーベイランス・情報収集及び適切な医療の提供により、高齢者等を守り、重症者及び死亡者の発生を最小限に食い止めるべく万全を尽くす。
  3. 的確なまん延防止策及び経済・雇用対策により、社会・経済機能への影響を最小限にとどめる。
  4. まん延防止策を講じるに当たっては、以下の点に留意しつつ、より社会経済活動の維持との両立に配慮した取組に移行していく。
  • 地域の感染状況や医療提供体制の確保状況等を踏まえながら、段階的に社会経済の活動レベルを上げていくこと。
  • 感染状況は地域によって異なることから、隣県など社会経済的につながりのある地域の感染状況に留意する必要があること。
  • 新しい生活様式が社会経済全体で安定的に定着するまで、一定の移行期間を設け、感染拡大のリスクに応じて段階的に移行すること。仮に、感染の拡大が認められた場合には、速やかに強いまん延防止対策等を講じること。

実施体制

県では、令和2年2月18日に「岩手県新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置し、岩手県医師会・岩手医科大学をはじめとする医療関係団体や関係機関、県民の協力を得ながら、各種対策を行ってきた。

これまで、県民や関係機関への感染症に関する情報提供や、知事から「県民の皆様へのメッセージ」を発信してきた。岩手県職員に対しては、首都圏等から帰県等する新規採用職員の2週間の自宅待機や、時差通勤の拡充、不要不急の出張の自粛等を行い、感染防止に努めてきた。
また、帰国者・接触者相談センターや帰国者・接触者外来を設置し、医療・相談体制の充実も図ってきた。
県の令和元年度一般会計補正予算(第7号)では、感染拡大の防止や学校一斉休業に対応するための経費、令和2年度一般会計補正予算(第1号)では、医療提供体制の整備や事業縮小に伴う中小企業の資金繰りのための貸付金の創設などに要する経費を計上し、感染とその拡大を防ぎ、社会・経済への影響を最小限にとどめるための対策を行ってきた。

令和2年4月10日には、「岩手県新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」を策定し、この方針に基づいた対策を実施するため、令和2年4月14日付けで保健福祉部保健福祉企画室内に「新型コロナウイルス感染症対策監」を設置した。また、同日には、集団発生時の医療体制を構築するため、岩手県医師会や岩手医科大学附属病院など県内の医療機関等で構成する「岩手県新型コロナウイルス感染症医療体制検討委員会」を開催するなど、体制の強化を進めてきた。

令和2年4月23日には、「岩手県における新型コロナウイルス感染症拡大防止のための緊急事態措置」を決定し、5月6日を期限とする不要不急の外出の自粛や休業の協力の要請など、接触機会の低減に徹底的に取り組んできた。
また、令和2年度一般会計補正予算(第2号)では、PCR検査体制の充実などに加え、休業協力金の支給や家賃支援などに要する経費を計上し、感染拡大の防止とともに緊急の経済・雇用対策の取組をさらに強化している。

新型コロナウイルス感染症対策の実施に関する重要事項

情報提供・共有

  1. 国の情報を活用しながら、県民に対して正確で分かりやすく、かつ地域の感染状況の変化に即応した情報提供やメッセージの発信を行うとともに、新しい生活様式の在り方など、県民の日常生活における行動変容に資する注意喚起を進め、冷静な対応をお願いする。
  2. 県民への情報提供に当たっては、各種広報媒体やSNS等を積極的に活用するとともに、報道機関の協力を得ながら、様々な手段により迅速に行う。
  3. 感染情報等について東北各県との緊密な情報共有を図るとともに、市町村と連携した感染拡大防止措置を迅速かつ的確に講じるため、本県に接する隣県市町村で感染が発生した場合等は、関係する県や市町村などとの情報共有に配慮する。
  4. 国との情報連携により、国や県による経済対策や雇用対策などの各種支援策や相談窓口などについて、関係団体等と連携して様々な手段を通じて広く周知する。
  5. 厚生労働省や専門家と連携しつつ、積極的疫学調査により得られた情報を分析し、今後の対策に資する知見をまとめて、県民に還元するよう努める。

サーベイランス・情報収集

  1. 疑似症患者を把握し、医師及び保健所が必要と認める検査を実施する。
  2. PCR等検査を実施する県の検査機関の体制を充実し、民間の検査機関等も活用する。
  3. PCR等検査の実施人数や陽性者数、陽性率等の分析結果を定期的に公表する。
  4. 集団発生の把握の強化を図る。
  5. 迅速診断用の簡易検査キットの開発等の状況を注視し、必要に応じて導入する。
  6. 地方自治体間での迅速な情報共有に努めるとともに、県内の感染状況について、リスク評価を行う。

まん延防止

基本的な感染防止策の徹底等を継続するとともに、今後必要な持続的な対策を見据えた働きかけ等を行う。

外出の自粛(後述の「職場への出勤等」を除く)

  1. 不要不急の帰省や旅行など、特定警戒都道府県をはじめとする相対的にリスクの高い都道府県との間の人の移動は、感染拡大防止の観点から避けるよう県民に促すとともに、対策が講じられていない、これまでにクラスターが発生しているような場や、「三つの密」のある場についても、外出を自粛するよう促す。
  2. 「人と人との距離の確保」、「マスクの着用」、「手洗いなどの手指衛生」をはじめとした基本的な感染対策の継続など、感染拡大を予防する新しい生活様式の定着が図られるよう、あらゆる機会を捉えて、4月22日の専門家会議で示された「10のポイント」、5月1日の専門家会議で示された「新しい生活様式の実践例」等の周知を行う。

催物(イベント等)の開催

全国的かつ大規模な催物等の開催については、リスクへの対応が整わない場合は中止又は延期するよう、主催者に慎重な対応を求める。

施設の使用等(前述の「催物(イベント等)の開催」を除く)

  1. これまでにクラスターが発生しているような施設や、「三つの密」のある施設については、地域の感染状況等を踏まえ、施設管理者等に対して必要な協力を依頼する。
  2. 今後の持続的な対策を見据え、国は、事業者及び関係団体に対し、業種や施設の種別ごとのガイドラインを作成し、これに基づく自主的な感染防止のための取組を求めており、県としても、これらを参考に感染拡大防止のための取組が適切に行われるよう働きかける。
  3. 学校設置者に対し、保健管理等の感染症対策について指導するとともに、地域の感染状況や学校関係者の感染者情報について速やかに情報共有する。
  4. 保育所や放課後児童クラブ等は、感染の予防を徹底した上で開所されているところであるが、子どもや職員が罹患した場合や地域で感染が拡大した場合における対応について、厚生労働省が示す考え方に基づく市町村の取組を支援する。

職場への出勤等

今後、持続的な対策が必要になると見込まれることを踏まえ、事業者に対し、以下の取組を行うよう働きかけや支援を行う。

  1. 在宅勤務(テレワーク)、時差出勤、自転車通勤等、人との接触を低減する取組を推進すること。
  2. 職場においては、感染防止のための取組(手洗いや手指消毒、咳エチケット、職員同士の距離確保、事業場の換気励行、複数人が触る箇所の消毒、発熱等の症状が見られる従業員の出勤自粛、出張による従業員の移動を減らすためのテレビ会議の活用等)を促すとともに、「三つの密」を避ける行動を徹底するよう促すこと。

クラスター対策の強化

  1. 厚生労働省や専門家と連携しつつ、積極的疫学調査により、個々の濃厚接触者を把握し、健康観察、外出自粛の要請等を行うとともに、感染拡大の規模を的確に把握し、適切な感染対策を行う。
  2. 厚生労働省及び関係機関と協力して、特に、感染拡大の兆しが見られる場合には、専門家やその他人員を確保し、その地域への派遣を行う。
  3. クラスター対策を抜本強化するという観点から、保健所の体制強化に迅速に取り組む。これに関連し、管内の市町村と迅速な情報共有を行い、また、対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、総合調整を行う。さらに、クラスターの発見に資するよう、都道府県間の迅速な情報共有に努め、必要であれば国に対し、総合調整、支援を求める。

その他共通的事項等

  1. 国及び関係機関と協力して、公共交通機関その他の多数の人が集まる施設の感染対策を徹底する。
  2. 国による、帰国者のチェック・健康観察等の検疫の強化に協力する。

医療等

県は、県民に必要な医療・検査等を行うため、岩手県医師会・岩手医科大学をはじめとする医療関係団体や関係機関と協力して、感染の状況に応じた医療提供体制を確保する。
また、国の「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金」などを活用して、感染拡大防止策や医療提供体制の整備を進める。

医療提供体制の確保

重症者等に対する医療提供に重点を置いた入院医療の提供体制の確保を進めるため、次のような対策を講じる。

  • 重症者等に対する医療提供に重点を置くべき局面では、入院治療を必要としない無症状病原体保有者及び軽症患者(以下「軽症者等」という。)を、宿泊施設等での療養とすることで、入院治療が必要な患者への医療提供体制の確保を図る。
    特に、家庭内での感染防止や症状急変時の対応のため、軽症者等は宿泊療養を基本とする。そのため、国や市町村と密接に連携し、ホテルなどの一時的な宿泊療養施設及び運営体制を確保する。
    子育て等の家庭の事情によりやむを得ず自宅療養を行う際には、電話等情報通信機器を用いて遠隔で健康状態を把握していくとともに、医師が必要とする場合には電話等情報通信機器を用いて診療を行う体制を整備する。
  • 患者が入院、宿泊療養、自宅療養する場合に、その家族に要介護者や障がい者、子ども等がいる場合は、市町村の協力を得て、ケアマネジャー、相談支援専門員、児童相談所等と連携し、必要なサービスや支援を行う。
  • 病床の確保について、関係機関の協力を得て、新型コロナウイルス感染症の患者を優先的に受け入れる医療機関の指定など、地域の医療機関の役割分担を行うとともに、結核病床や一般の医療機関の一般病床等を活用して、ピーク時の入院患者の受入れを踏まえて、必要な病床を確保する。
    また、二次保健医療圏内で対応できない場合は、県立病院や公立・公的病院のネットワークを活用し、岩手県医師会・岩手医科大学をはじめとする医療関係団体等との緊密な連携の下、入院等搬送調整班が受入れ調整を行い、県を挙げた医療提供体制を確保する。
    なお、国が構築・運営する医療機関等情報支援システム(医療機関の空床状況や人工呼吸器・ECMOの保有・稼働状況等を迅速に把握するシステム)を活用し、患者受入れ調整に必要な医療機関の情報の見える化を行う。
    医療機関は、BCPも踏まえ、必要に応じ、医師の判断により延期が可能と考えられる予定手術や予定入院の延期を検討し、空床確保に努める。
  • 状況に応じて、仮設の診療所や病棟の設置、非稼働病床の利用、法第48条に基づく臨時の医療施設の開設について検討する。
  • 感染拡大に伴う患者の急増に備え、都道府県域を越える広域的な患者の受入れ体制の確保を国に求める。

新型コロナウイルス感染症が疑われる患者への外来診療・検査体制の確保のため、次のような対策を講じる。

  • 帰国者・接触者相談センターを通じて、帰国者・接触者外来を受診することにより、適切な感染管理を行った上で、新型コロナウイルス感染症が疑われる患者への外来医療を提供する。
  • 医療関係団体や関係機関と協力して、発熱外来の設置や、帰国者・接触者外来への医療従事者の派遣を行う。また、大型テントやプレハブ、いわゆるドライブスルー方式等による診療を行うことで、効率的な診療・検査体制を確保する。併せて、検査結果を踏まえて、患者の振り分けや受入れが適切に行われるようにする。
  • さらに患者が増加し増設した帰国者・接触者外来や発熱外来での医療提供の限度を超えるおそれがある場合は、厚生労働省に相談し、必要な感染予防策を講じた上で、一般の医療機関での外来診療を行う。
  • こうした状況では、感染への不安から安易に医療機関を受診することでかえって感染するリスクを高める可能性があることも踏まえ、症状が軽度である場合は、自宅での安静・療養を原則とし、肺炎が疑われるような強いだるさや息苦しさがあるなど、状態が変化した場合には、すぐにでもかかりつけ医等に相談した上で、受診するよう周知する。
  • 重症化しやすい方が来院するがん診療連携拠点病院、透析医療機関及び産科医療機関などは、本県の医療資源の状況を踏まえ、必要に応じ、新型コロナウイルス感染症への感染が疑われる方への外来診療の制限について検討・調整する。
  • 冬季のインフルエンザの流行を踏まえた外来医療の在り方を検討する。

新型コロナウイルス感染症患者のみならず、他の疾患等の患者への対応も踏まえて地域全体の医療提供体制を整備するため、次のような対策を講じる。

  • 地域の医療機能を維持する観点から、新型コロナウイルス感染症以外の疾患等の患者受入れも含めて、地域の医療機関の役割分担を推進する。
  • 患者と医療従事者双方の新型コロナウイルス感染症の予防の観点から、初診を含めて、電話等情報通信機器を用いた診療体制の整備を推進する。

医療従事者の確保のため、現場で従事している医療従事者の休職・離職防止策や、潜在有資格者の現場復帰、医療現場の人材配置の転換等を推進する。また、検査を含め、直接の医療行為以外に対しては、有資格者以外の民間の人材の活用を進める。

医療物資の確保のため、専門性を有する医療従事者や人工呼吸器等の必要な医療機器・物資・感染防御に必要な資材等を迅速に確保し、適切な感染対策の下での医療提供体制を整備する。特に新型コロナウイルス感染症を疑う患者にPCR検査や入院の受入れを行う医療機関等に対しては、マスク等の個人防護具を優先的に確保する。

施設内感染の防止

医療機関及び高齢者施設等における施設内感染を徹底的に防止するため、厚生労働省と協力して以下の事項について周知徹底する。

医療機関及び高齢者施設等の設置者において、

  • 従事者等が感染源とならないよう、「三つの密」が生じる場を徹底して避けること。
  • 症状がなくても患者や利用者と接する際にはマスクを着用すること。
  • 手洗い・手指消毒を徹底すること。
  • パソコンやエレベーターのボタンなど複数の従事者が共有するものは定期的に消毒すること。
  • 食堂や詰め所でマスクをはずして飲食をする場合、他の従事者と一定の距離を保つこと。
  • 日々の体調を把握して少しでも調子が悪ければ自宅待機するなどの対策に万全を期すこと。

医療機関及び高齢者施設等において、

  • 面会者からの感染を防ぐため、面会は緊急の場合を除き一時中止すべきこと。
  • 患者、利用者からの感染を防ぐため、感染が流行している地域では、施設での通所サービスなどの一時利用を中止又は制限する、入院患者、利用者の外出、外泊を制限する等の対応を検討すべきであること。
  • 入院患者、利用者等について、新型コロナウイルス感染症を疑った場合は、早急に個室隔離し、保健所の指導の下、感染対策を実施し、標準予防策、接触予防策、飛沫感染予防策を実施すること。

感染者と非感染者の空間を分けるなどを含む感染防御策の更なる徹底などを通して、医療機関及び施設内での感染の拡大に特に注意を払う。また、特に感染が疑われる医療、施設従事者及び入院患者等については、率先してPCR検査等を受けさせるようにする。加えて、検査体制を踏まえ、手術や医療的処置前などにおいて、当該患者について医師の判断により、PCR検査等が実施できる体制をとる。

外来での感染を防ぐため、関係機関と協力して、医療機関の外来において、一般の患者も含め、混雑を生じさせないよう、予約による診療や動線が適切に確保された休日夜間急患センターの施設活用などを推進する。

妊産婦に対する感染を防止する観点から、医療機関における動線分離等の感染対策を徹底するとともに、妊産婦が感染した場合であっても、安心して出産し、産後の生活が送れるよう、関係機関との協力体制を構築し、適切な支援を実施する。また、関係機関と協力して、感染が疑われる妊産婦への早めの相談の呼びかけや、妊娠中の女性労働者に配慮した休みやすい環境整備などの取組を推進する。

小児医療について、医療関係団体や関係機関等と協力して、診療体制の整備を進める。

関係機関と協力して、外国人が医療を適切に受けることができるよう、医療通訳の整備などを、引き続き、強化する。

法令に基づく健康診断及び予防接種については、適切な感染対策の下で実施されるよう、時期や時間等に配慮する。

教育

  1. 学校現場においては、保健管理等の感染症対策を徹底すること等に留意しながら、各学校で教育活動が再開されているが、県内の児童生徒等又は教職員の感染が判明した場合には、文部科学事務次官通知において示された「新型コロナウイルス感染症に対応した臨時休業の実施に関するガイドライン」及び「新型コロナウイルス感染症対策としての学校の臨時休業に係る学校運営上の工夫について」を踏まえ、県立学校における臨時休業等について判断するとともに、学校設置者に対し、県立学校における対応について周知する。
  2. 県内の児童生徒等又は教職員に感染の疑いが生じた場合には、速やかに学校設置者等から報告を受け、市町村等と緊密に情報共有を行い対応する。

経済・雇用対策

県は、新型コロナウイルスの感染とその拡大を防ぐ行動に伴い、岩手の社会・経済に及ぼされる負の影響を最小限にとどめるため、国の「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(令和2年4月20日閣議決定)を踏まえながら、県の令和2年度一般会計補正予算(第2号)の主な事業を含む「新型コロナウイルス感染症対策(第2弾)」を取りまとめた。この対策では、新型コロナウイルス感染症のまん延防止などの取組と併せて、以下の項目ごとに具体的な取組を示しており、これらの取組を迅速かつ着実に実行していく。

対策の実行に当たっては、引き続き、産業・業種ごとに課題を把握するとともに、中長期にわたり社会の力や経済力を維持し、回復の基盤を築くことができるよう、事業者の創意工夫を尊重しつつ、商工業や農林水産業をはじめとする関係団体との連携を密にしながら、市町村と対策の方向性を共有し、対応していく。また、国の「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」が掲げる、感染症拡大の収束後の需要喚起などの「V字回復フェーズ」における対策については、国の動向や県民生活、県内経済への影響を注意深く見極めながら、必要な対応を検討していく。

資金繰りに万全を期すための金融支援等

個人事業主や中小・小規模事業者の資金繰り対策に万全を期すため、引き続き「岩手県新型コロナウイルス感染症対策資金」などによる支援を実施する。また、地方自治体の制度融資を活用した、民間金融機関でも実質無利子・無担保の融資を受けることができる制度のほか、医療・福祉事業者や農林水産業者等の資金繰り支援の拡充などの活用を速やかに進める。さらに、市町村と連携して、経営に影響が生じている事業者の支援を行う。

県民の生活を守るための経済的支援

休業等により収入が減少し、生活に困っている県民の生活を守るため、個人向け緊急小口資金等の特例貸付による支援や、国が市町村を通じ実施する「特別定額給付金」などの活用を速やかに進める。

雇用の維持・就職に向けた支援

県民生活にとって重要な雇用を維持するため、ハローワーク、ジョブカフェいわてとの連携のほか、これまでにない水準に引き上げられた雇用調整助成金の特例措置等の活用を速やかに進める。また、就職活動中の学生に対し、「いわてで働こう!WEB合同企業説明会」の開催や県の就職支援情報をまとめた特設サイトなどによる情報提供を進める。

地域経済を支える産業支援

持続可能で活力ある地域経済を支える産業を支援していくため、「買うなら岩手のもの運動」をはじめとする官民一体となった取組のほか、市町村、商工会、商工会議所、農業協同組合、森林組合、漁業協同組合など地域単位で経済を回していく取組や新たな需要に対応した取組を促進するとともに、中堅・中小・小規模事業者やフリーランスを含む個人事業主の事業継続支援を目的に国が実施する「持続化給付金」などの活用を速やかに進める。

その他重要な留意事項

人権への配慮、社会課題への対応等

  1. 患者・感染者、その家族や治療・対策に携わった方々等の人権が侵害されている事案がみられることから、こうした事態が生じないよう適切に取り組む。
  2. 海外から一時帰国した児童生徒等への学校の受入れ支援やいじめ防止等の必要な取組を実施する。
  3. 各種対策を実施する場合においては、県民の自由と権利の制限は必要最小限のものとするとともに、女性や障がい者などに与える影響に十分配慮して実施するものとする。
  4. 新型コロナウイルス感染症対策に従事する医療関係者をはじめ、県民生活に不可欠なサービスの提供に従事する方々やその家族が風評被害を受けないよう、必要な取組を実施する。
  5. 対策が長期化する中で生じる次のような様々な社会課題に対応するため、国や市町村と連携して適切な支援を行う。
     長期間にわたる外出自粛等によるメンタルヘルスへの影響、配偶者暴力や児童虐待。
     情報公開と人権との協調への配慮。
     営業自粛等による倒産、失業、自殺等。
     社会的に孤立しがちな一人暮らしの高齢者、休業中のひとり親家庭等の生活。
     外出自粛等の下での高齢者等の健康維持・介護サービス確保。
  6. 新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方に対して尊厳あるお別れ、火葬等が行われるための適切な方法について、周知を行う。

物資・資材等の供給

  1. 県民に対し、食料品、生活必需品、衛生用品等の購入に当たっての消費者としての適切な行動を呼びかける。
  2. 事業者に対し、食料品、生活関連物資等の価格の高騰や買占め及び売り惜しみが生じないよう、関係団体に要請し、又は国の要請について関係団体等を通じて周知する。
  3. 国に対し、県民や市町村、関係機関の要望に応じ、マスク、個人防護具や消毒薬等の増産や円滑な供給を関連事業者に要請するよう求め、また、感染防止や医療提供体制の確保のため、マスク、個人防護具、人工呼吸器等の必要な物資を国の責任で確保・配布することを求める。その上で、可能であれば県において物資・資材等を確保し、必要な配布を行う。

関係機関との連携の推進

  1. 国や市町村等との双方向の情報共有を強化し、対策の迅速な伝達と、対策の現場における状況の把握を行う。
  2. 対策の推進に当たっては、市町村、経済団体等の関係者の意見を十分聴きながら進める。
  3. 市町村との連携・調整の場を設置し、一体的に取り組む。市町村から要請がある場合は、当該市町村の人的体制と感染まん延状況を総合的に勘案し、必要な支援を行う。
  4. 近隣県が緊急事態宣言後の様々な措置を行うに当たり、その要請に応じ、必要な支援を行う。
  5. 緊急事態宣言後の様々な措置を実施するに当たっては、あらかじめ政府対策本部と協議し、迅速な情報共有を行う。
  6. 緊急事態宣言後の様々な措置を実施した際には、政府対策本部長に、その旨及びその理由を報告する。

社会機能の維持

  1. 県及び市町村は、職員における感染を防ぐよう万全を尽くすとともに、万が一職員において感染者又は濃厚接触者が確認された場合にも、職務が遅滞なく行えるようにあらかじめ対策を講じる。また、職場内での感染拡大のリスクを低減するため、在宅勤務、テレビ会議等を活用する。
  2. 電気、ガス、水道、公共交通、通信、金融業等の維持のため、指定公共機関及び指定地方公共機関と連携する。
  3. 空港、港湾、医療機関等におけるトラブルなどを防止するため、国の関係機関等と連携して必要な対応を行う。
  4. 警察は、混乱に乗じた各種犯罪を抑止するとともに、取締りを徹底する。

着実な復興の推進

東日本大震災津波からの復興途上にある被災地においては、保健管理等の感染症対策を徹底すること等に留意しながら、被災者のこころのケア、コミュニティ形成支援など被災者一人ひとりに寄り添った取組を継続して実施する。

「岩手県新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」の見直し

本方針は、県内及び国内の感染状況や国の動向等を踏まえ、適宜見直しを行う。

【資料】地域の感染状況に応じた3区分

(新型コロナウイルス感染症対策専門家会議「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」2020年5月14日より)

地域の感染状況に応じ、緊急事態宣言の対象地域の考え方や、4月1日の提言で示した地域区分の考え方も踏まえ、各都道府県を以下3区分に分類し、それぞれの地域において、適切な感染対策を実施していく。

特定(警戒)都道府県

法第45条各項に基づく「徹底した行動変容の要請」で新規感染者数を劇的に抑えこむ。

判断基準

緊急事態措置の指定基準

累積患者数、感染経路が不明な感染者数の割合、直近1週間の倍加時間などで判断。

再指定基準

4月7日の指定の際の指標や水準の考え方、感染の状況を踏まえつつ、直近1週間の新規感染者数等から、より迅速に再指定を行う。

対応

基本方針
  • 特措法第45条に基づく「徹底した行動変容の要請」(特定警戒においては、極力8割の接触機会の低減)で新規感染者数を劇的に抑えこむ。
外出
  • 法第45条第1項に基づく外出自粛の協力要請。
  • 県をまたぐ移動や3密の場所への移動は徹底して避ける。
出勤
  • 「出勤者数の7割削減」を目指す。
  • 在宅勤務(テレワーク)、ローテーション勤務等の強力な推進等。
イベント
  • クラスターのおそれがあるイベント、3密の集まりは法第24条第9項及び法第45条第2項等に基づき、開催の自粛の要請等。
施設の使用制限
  • 感染拡大のおそれのある施設の使用制限の要請等(キャバレー等の接待を伴う飲食業、ライブハウス、バー、スポーツジム等)
  • 公園・博物館、美術館、図書館等は、感染防止策を講じた上で開放もあり得る。

感染拡大注意都道府県

都道府県において、地域の感染状況をモニタリング。「新しい生活様式」を徹底するとともに、必要に応じ、法第24条第9項に基づき要請を行う。

判断基準

特定(警戒)都道府県の指定基準等を踏まえつつ、その半分程度などの新規報告者数等で判断することが考えられる。

対応

基本方針
  • 感染状況をモニタリングしながら、「新しい生活様式」を徹底する。
    必要に応じ、知事が法第24条第9項に基づく要請を実施。
外出
  • (必要に応じ、法第24条第9項に基づく)外出自粛の協力要請。
  • 不要不急の県をまたぐ移動や3密の場所への移動は徹底して避ける
出勤
  • 在宅勤務(テレワーク)、ローテーション勤務、時差出勤、自転車通勤等の推進。
イベント
  • クラスターのおそれがあるイベント、3密の集まりは法第24条第9項に基づき、開催の自粛の要請等。
  • それ以外のイベントに関しては、主催者に対し、身体的距離の確保や基本的な感染対策の実施、業種毎の感染拡大予防ガイドライン等を踏まえた対応等を求める。
施設の使用制限
  • 都道府県知事が、地域の実情に応じて法第24条第9項に基づく協力要請を実施。
  • クラスターのおそれがある施設や3密施設は使用制限の協力要請を検討。
  • 具体的に集団感染が生じた事例を踏まえた、注意喚起の徹底。

感染観察都道府県

引き続き感染状況をモニタリングするとともに、「新しい生活様式」の徹底で、感染拡大を防ぐ。

判断基準

新規感染者が一定程度確認されるものの、感染拡大注意都道府県の基準には達していない。

対応

基本方針
  • 引き続き感染状況をモニタリングしながら、「新しい生活様式」を継続。
外出
  • 不要不急の特定(警戒)都道府県・感染拡大注意都道府県との県をまたぐ移動は避ける。
  • 3密の場所への移動を徹底して避ける。
出勤
  • 必要に応じ、在宅勤務(テレワーク)、ローテーション勤務、時差出勤、自転車通勤等の推進。
イベント
  • 一定規模のイベント等の開催に当たっては、リスクへの対応が整わない場合は中止又は延期するよう、主催者に慎重な対応を求める。
  • それ以外のイベントに関しては、主催者に対し、身体的距離の確保や基本的な感染対策の実施、業種毎の感染拡大予防ガイドライン等を踏まえた対応等を求める。
  • 参加者は100名以下、かつ、収容人数の50%以下を目安とする。
施設の使用制限
  • 都道府県知事が、地域の実情に応じ、法第24条第9項に基づく協力要請も含めて適切に判断。
  • 一般の感染対策や3密回避の徹底を要請。

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このページに関するお問い合わせ

保健福祉部 医療政策室 感染症担当
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