岩手県園芸試験場研究報告 第4号(昭和53年3月発行)

ページ番号2004882  更新日 令和4年10月6日

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高冷地野菜機械化栽培技術組立実証試験

高橋慶一・吉田功三・阿部 隆・藤沢 修・鈴木泰輔・古沢典夫・佐々木武虎・村上哲太郎・小野寺秀夫

(摘要なし)

夏播レタスの栽培技術確立に関する研究 第1報 高温乾燥下における発芽促進剤の効果

阿部 隆・高橋慶一

  1. 夏播レタスの作型確立をめざし当面問題となっている高温乾燥期における発芽および初期生育の促進について1972~1973年にわたって試験を行った。
  2. 発芽促進剤の中では、チオ尿素の効果が高く、その使用濃度は0.5~1%の範囲であった。
  3. チオ尿素処理効果に品種間差があったが、種子をあらかじめ低温貯蔵してその後にチオ尿素処理することにより、品種間の差も縮少し著しい処理効果が認められ、浸漬時間は5時間までの範囲では長いほど効果が高かった。
  4. 発芽に最適な土壌水分は60%(最大容水量の75~80%、PF1.9)前後に認められ、土壌水分40~45%以上であれば、チオ尿素処理により充分実用的な発芽率が期待できる。
  5. 従来一般に行なわれている浸漬後の低温処理による催芽処理は、土壌水分が高い条件の下で効果が高いが、土壌水分50%以下の乾燥条件下では著しくその効果が劣る。
  6. 初期生育は土壌水分との関係が大きく、特に生育が旺盛となる本葉3枚以降における生育差が顕著であった。高温期における初期生育は土壌水分50%(PF2.5)以下では充分な生育は期待できないことが判明した。

夏播レタスの栽培技術確立に関する研究 第2報 播種適期およびポリマルチ効果

阿部 隆・高橋慶一

  1. 本試験は、夏播レタスの作型確立を目的に、播種適期の把握、ポリマルチ、移植の効果および品種間差異について1973~1975年にわたり試験を実施した。
  2. 播種適期については、収穫始めが平均気温18℃前後から始まり平均12℃、最低8℃前後以前に収穫が終了する作季、つまり直播では7月15~20日、移植では7月10日~15日に適播種期がみられた。
  3. ポリマルチ(黒)は、直播、移植栽培とも増収、品質向上の効果があり実用性が高いが、直播栽培では年により高温による発芽不良がみられるため、栽培的に不安定な面がある。
  4. 移植と直播栽培では、移植により欠株や腐敗球も少なく、収量、品質的に安定するが、播種期が遅れると小球が増加しやすい。
  5. 夏播における品種は、適播種期では「みかどグレート3204」「グレートレークス366」でよいが播種期がやや遅れる場合は、より早生種の「ペンレーク」等を使用する。

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